2016年1月1日金曜日

梅原猛 「仏像のこころ」(1987)

自分は歳をとっていくと何をして過ごすようになっていくんだろうか?できたら田舎で農業でもやりたいけど、それも無理のような気がする。結局、古寺でも回って仏像でも見るようになるんじゃないだろうか。

この国ではかつて仏像がブームになったらしい。それは主に和辻哲郎(1889-1960)の「古寺巡礼」的な鑑賞と、美術面からの実証的鑑賞によるものだった。
そこに梅原猛の思想史、精神史からの鑑賞という方法が現れた。

きまぐれでこの1冊を手に取った。108円で購入。

1965年にNHKブックスから出た本。これは1987年の集英社文庫判の古本。梅原猛が40代のときに初めて書いた著作も含まれているという。学生時代に京都で西洋思想に触れた梅原による、日本での仏教受容の精神史のやわらかい解説本っぽかったので、自分の仏教知識の不足を補ってくれそうだったので読んでみた。

第1部で「釈迦如来像」「薬師如来像」「阿弥陀如来像」「大日如来像」「観音菩薩像」「地蔵菩薩像」「弥勒菩薩像」「普賢・文殊菩薩像」と読んでいく。仏像にも流行と廃りがあったんだなって知る。
高校日本史を流して学んだ自分には「へえ、そうだったんだ!」という知識を得ることができた。平安から鎌倉期の有名な高僧たちって、そういう位置づけだったんだ…とか。

第2部では「不動明王」「諸天像」「地獄・極楽図」「達磨像」「曼荼羅で見る日本精神史」について解説していく。その語りはやわらかいが、集中して読まないと頭に入らない。

えっ?江ノ島神社の弁財天って裸だったの?!何度も江ノ島に行ってるけど、神社も行ったけど、特に注意して見てなかった。

自分の仏像に関しての知識を整理してくれた入門的なガイドブックだった。これから寺をめぐったとき、ふと梅原先生の言葉を思い出すことになるだろうと思う。

8 件のコメント:

  1. あけまして、おめでとうございます。
    正月から仏像の話、いいですね。梅原も和辻の本も以前読んだことがあります。もう内容はすっかり忘れてますが・・・。、
    わたしは、川崎大師ではなく、近所の氏神様に参拝してきました。(この辺の氏神様は、新田義貞公です)

    紅白はsuperflyが圧巻でしたね。BUMPも良かった。CDTVでは「新年最初に聴きたい曲」コーナーでYUI様の映像も流れました。

    今年も愉しい話題をよろしく。

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  2. おめでとうございます。
    自分は毎年たくさん寺社仏閣で拝んでるので初詣は2週目3週目になるかな…。

    例年はPerfumeの箇所だけ録画早送り編集だったけど、今年の紅白はまさみと一緒に過ごすために見た。史上一番長く見た紅白w
    たしかにSuperflyとBUMPはよかった。そして椎名林檎、まさかの向井秀徳!トレンド入りw YUIも家で見ていて驚いたに違いない。大原、曲が地味だった。miwaはいつのまにかスターだった。

    いつも全力でYUIネタ考えるけど、誰かの役にたちそうなクオリティ高いものを書こうとしてしまうと筆が進まない…。

    今年は自分も積極的にコメント書こうと思ってるので、ブログなどやってる方は教えて!

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  3. 『縮約(縮退)自然数』2019年7月18日 14:39

    梅原猛のレクイエムの年にあたり、
    パスカルの《無限に大きな宇宙と無限に小さなもの》 と 
    ライプニッツの《一つの個体、モナドは無限に大きな全世界をやどす》  の[思想]を華厳経の
    《一なものはすべての中にあり、すべては一なるものを宿す。》に、
    梅原猛の≪無限についての神秘的な思弁 ― 華厳経と西洋思想≫の言及は、
    ライプニッツの「理性に基づく自然と恩寵の原理」の《モナド》を、
    ≪…巨大な大仏の一つ一つの連弁には、また一つの巨大な世界があると華厳経ではいうのである。…小さな蓮台の含む大きな世界のその小さな蓮台の一つにまた、先と同じような大仏の世界があることを思え。…≫(華厳経の無限論)に、
    見立てた梅原猛にはすでに[入れ子構造]を捉え《モナド》の[やどす]ものを見据えていて、この[やどす]のを『自然比矩形』に[同定]できようことに到達していたのだと思う。
    『自然比矩形』には、[大日如来]の[曼荼羅]と同じように【数そのモノ】の[曼荼羅]を『(わけのわかる ちゃん)(まとめ ちゃん) (わけのわからん ちゃん)(かど ちゃん)(ぐるぐる ちゃん)(つながり ちゃん)』の《妖精》(仏たち)の[縁起](曼荼羅)として観て観たい。 

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  4. 絵本のまち有田川2020年1月12日 16:27

     自然数は、[絵本]「もろはのつるぎ」で・・・

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  5. 式神自然数2020年6月23日 15:14

    『HHNI眺望』で観る自然数の絵本あり。
    有田川町電子書籍 「もろはのつるぎ」

    御講評をお願いします。

    時間軸の数直線は、『幻のマスキングテープ』に・・・
    『かおすのくにのかたなかーど』から・・・

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  6. √6意味知ってると舌安泰2022年12月1日 21:33

    数の言葉ヒフミヨ(1234)をカタチ(〇△□ながしかく(『自然比矩形』))から読み解くのは、3冊の絵本で・・・
     絵本「哲学してみる」
     絵本「わのくにのひふみよ」
     絵本「もろはのつるぎ」

     

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  7. 京のヒフミヨ巡り2023年3月7日 5:30

    ≪…「釈迦如来像」…≫は現世仏、大きな仏に戒光寺の丈六釈迦如来がある。
     現世で使われている数の言葉ヒフミヨ(1234)の夢の替え歌「ヒフミヨえん」があるとか・・・
     仏の前で歌いたい・・・

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  8. ヒフミヨ巡礼道(情緒の道)2024年6月8日 22:38

    ≪…モナド…≫ (「一」すなわち単一な実体において、(瞬間ごとに)多をはらみ、多を表現している状態、その流れがいわゆる表象である。)を、数学の基となる自然数(数の言葉ヒフミヨ(1234))について大和言葉の【 ひ・ふ・み・よ・い・む・な・や・こ・と 】の平面・2次元からの送りモノとして眺めると、[数のヴィジョン]になるとか・・・

    岡潔数学体験館で、自然数のキュレーション的な催しがあるといいなぁ~

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