いきなり古尾谷雅人の回想が始まる。1969年、高度経済成長の時代、瀬戸内海の島で起こった恐ろしい出来事を思い出す。
鹿賀丈史、すらっと背が高いなあ。もうこの時代は着物に袴にソフト帽は周囲から浮き上がってる。無造作もじゃもじゃ頭というより80年代おしゃれカーリーヘア。鹿賀金田一、飄々としてて好きという人も多い。
この映画、公開時に挿入歌でビートルズのLet It BeとGet Backが使われたのだが、ずっと使用許可が降りず、このDVD(2004)で初めて他の歌手のカバーで発売された。
見始めて早々に拒否感。金田一さんは終戦直後が舞台じゃないと受け付けない。それにいきなり無銭乗車。酷い。完全に土曜ワイド見てる感覚。
登場人物のほとんどが広島弁でドラマが進行。パフュを知ってから広島弁は第2言語なのでなんかずっと可笑しい。今でもパフュ語で生活している地域が実際に存在するって信じられない。
この映画は推理小説というよりは怪奇ホラー。TRICKっぽい。八つ墓村路線。
「鵺の鳴く夜は恐ろしい」人の手首を咥えて走る野犬が怖い。野犬に食い荒らされた少女の死体はグロいけどそれほどリアルでもない。面白かったか?と聞かれると、つまらなかったと答えたい。
この当時アイドル女優的ポジションだったと推測される岸本加世子の顔が面白い。ちょっとユーモラス。旅館の女中が今までみた金田一シリーズ中、例外的にかわいくなくて残念。
岩下志麻の圧倒的なサイコパスっぷりが素晴らしい。岩下志麻でこの映画はもっていた。○○○ーシーンは伝説。怖すぎた。あれを見ちゃったら誰もが岸本加世子と同じリアクションになると思う。
BGMがすごく力が入ってるなと思って聴いていた。湯浅譲二の仕事だった。
このマボロシの金田一を見たことで、もう金田一シリーズは見なくていいかと思ってる。横溝正史の原作って中学高校時代にかけて数冊読んでみたけど、あんまりたいしたことないなぁって印象だった。今後、金田一シリーズで自分を満足させる大傑作が誕生する可能性はほとんどない…と思う。
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