突然掘北が結婚してしまったので慌てて見ることにした。DVDが出た直後ぐらいに見ているので、今回が2回目の鑑賞。
この映画はシンガポールで育ち日本文化に慣れ親しんでいて、いつか日本を舞台に映画を撮りたいという希望を持っていたハンス・カノーザ監督の持ち込み企画。前回見たときは気にしていなかったのだが原題はMemoirs of aTeenage Amnesiac、「誰かが私にキスをした」は日本の配給会社が、客層にアピールしやすいようにつけたタイトルっぽい。いかにも邦画ドラマっぽい。
監督によれば、堀北は「ALWAYS」で、松山ケンイチは「デスノート」で、て○しは「マイボスマイヒーロー」で見て知っていたという。この3人は監督の指名でのキャスティング。
ストーリーは簡単に言うと、学校の階段で転倒し記憶を失った堀北真希が3人の男を次々に乗り換えていく。17歳少女の自分探し。東京のインターナショナルスクールが舞台で、劇中のセリフの約半分は英語だ。
日本側スタッフ、ハリウッド側スタッフ混成チームにより、2008年11月26日にクランクイン、2009年1月10日にクランクアップ、2010年3月27日に公開初日を迎えている。最新映画に興味の無い自分はこんな映画の存在をニュースでも見た覚えもなかったし、TSUTAYAに並ぶまで知りもしなかった。
米国人の原作脚本を、ハンス・カノーザ監督が演出し、日本の俳優を演技指導。そして、ハリウッドの撮影監督が撮る。そして向こうのスタッフたちが編集するので、見ていて明らかに邦画じゃない感を出しまくる、アメリカン・テイストに溢れたハイスクールドラマ。
冒頭いきなり生徒たちの写真撮影シーンから始まる。スタイリッシュで引き込まれる映像編集。BGMにしても日本のセンスと完全に違う。撮影カメラはSONY製らしいけど、外国人カメラマンが撮ると東洋人学生の肌の質感とか髪質とか、違いを強調した感じに見える。
エキストラや脇役も日米混合なので海外のドラマに見える。向こうの学生ポートレート撮影はこんな楽しそうな雰囲気なんだな。日本とは程遠い。
日本人らしくない日本人がなかなか言わないような会話がひたすら続く。表情や振る舞いが日本人っぽくない。どこかムラカミハルキっぽくもある。テンポと間合いが演出したカノーザのセンス。まさにアメリカンハイスクールドラマのそれ。ま、自分はアメリカのハイスクールドラマとかまったく見たことないですけど。
インターナショナルスクールなので日本の高校の授業風景とまったく違う。生徒一人一人に個別のロッカーがある。みんな大人!教育の差を感じた。少人数で大学のゼミみたいな感じ。
日本人はこんな教育を受けていない。こんな自由かつ個の責任に任せた教育なら自立した大人に育ちそう。日本のハイスクールはルールと強者に従順に隷属するように育ててるだけ。いきなり大学入っても自分みたいに戸惑うだけ。
それに高校生がスーツ着てドレスアップしてパーティとかw 「ねえ踊ろうよ」とかw 日本人はパーティでどう振舞っていいのかわからない。ステディな彼氏彼女とパーティに参加なんて高校でやってない。せいぜい文化祭のフォークダンスがギリw なのに「インターナショナルな人材を育てる」とか笑わせる。
「そのドレス…」自分が高校生のときにこんな会話ぜったいしてないわ。海外の原作小説を外国人が日本の高校に置き換えるのは無理がある。インターナショナルスクールでないと不可能。それでも日本を舞台にしたのは監督が日本の若手俳優と映画を撮りたかったから。
「去年と同じでしょ。わかってる。」
「最後まで聞けよ。その髪のほうがワンピースに合ってるって言うつもりだったんだ」
後半、ヒロイン堀北は髪型ショートになって、さらに破壊的に可愛くなっていく。堀北自らハサミを入れてカットしていくシーンがかわいい。ハムレットの堀北の可愛さには悶え死ぬ。この映画をみると堀北真希を喪失した悲しみの大きさに震える…。人によっては泣くかもしれない。
ヒロインの自宅は東京世田谷という設定だが、これが大豪邸。父(渡部篤郎)は作家だというけど、どんだけベストセラー人気作家なんだよ。父一人娘一人なのに大きな部屋が整頓されまくってこぎれい過ぎるセレブ家庭。渡部篤郎はいつどこで見ても渡部。
主人公ナオミ役の堀北は3人のボーイフレンドとそれぞれしっかり何度もキスをする。
ヒロインのステディなボーイフレンド・エース役はアントン・イェルチン。ロシア出身のハリウッドのヤングスターとのこと。ヒロイン・ナオミの部屋に窓から侵入してきやがる。挨拶のようにキスしやがる。このボーイフレンド1号が堀北真希に「また以前のようにセッ○スできる?」とか聞きやがる。堀北も「私はあなたとセッ○スしないわ」とか言いやがる。ヒロインのナオミは勉強もスポーツも恋もできる17歳リア充ガール。堀北が手にコン○ーム持ってるシーンが見れるのはこの映画だけ?
暗く精神が不安定なユウジ役が松山ケンイチ。ドラマ中盤の彼氏。ホリキタとマツケンは過去何度も共演していて撮影はとてもいい雰囲気。ふたりとも多忙なために海外シーンはなんとすべてクロマキー撮影。それ、見ていてまったく予想できなかった。
LAから電話で「逢いたい」と呼び出し。成田で正規料金払って親に無断で渡航とかどんだけ現金持ってるんだよ!しかも17歳でビジネスクラスかよ!しかもユウジのLAの家も豪邸。
この精神不安定彼氏が恐怖。ヒロインを右も左もわからない外国の砂浜に長時間放置。ま、ハンサムだから許される。そうでなければ「キモっ!」って言われる。
3人目の男ミライがジャ○ーズのて○し。イヤーブック編集の仕事を堀北と共同で行う。ずっと堀北を愛情を持って見守っていたのだが、記憶喪失堀北に振り回され途中で冷たくなる。
イヤーブック?アメリカのハイスクールにはそんなものがあるってこの映画で初めて知った。イヤーブック編集の部室がもう完全にアメリカ企業のオフィス…。アメリカと比較したときの日本の高校のみすぼらしさが絶対的すぎる。
て○しが自ら編集した堀北に贈るDVDがやや怖い。あんなの自分大好きっ子じゃないと見れない。
ヒロインは写真の授業で落第しそうなる。ユウジ提案のフォト撮影シーンが監督オリジナルだけど、まるでグーグルやiPhoneのCMみたい。
この映画にも桐谷美玲が出ている!「堀北の出演作に桐谷あり」だな。ベレー帽姿がかわいいけど、やや目立つエキストラ程度の出演。
堀北も桐谷も英語の発声と発音が上手すぎる。ひょとして一部吹き替えじゃないか?って思う。おそらく絶対そうだと思ってるが、誰もそこに触れた発言をしていない。編集段階で「修正」したんだと思う。変な英語の発音のままだと海外で公開したとき「傷」になる。
病院のナース長っぽい人が外資系CMっぽい。日本人は日常あんな表情を使わない。
とにかくずっと会話の間合いが日本的じゃない。向こうのニュース番組みたいに相手の発言にかぶせるように返答していく。
日本映画なのに製作スタッフがハリウッド人材というケミストリーの面白さは十分に感じた。
Disc2のメーキングを見る。この映像は初めて見たと思う。
て○しが慣れないコイントスに戸惑う様子を撮っている。日本人はジャンケンだろ、普通。自分は人と何かをコイントスで決めたことなんて人生で一度も無いわ。
メーキングシーンで「カメラ投げ」はスタッフが必死に回収していたことを知った。階段そりすべりシーンは大量の塩で階段を覆って撮影していたことを知った。
ちなみに、堀北真希は公開初日の舞台挨拶で「3人の中から1人選ぶとしたら?」という質問に
丸の内TOEI①では「わかりにくい人にはあんまり惹かれない。わかりやすい人がいい。エースみたいな」と発言。
新宿バルト9では「すごくめんどくさくてややこしい人が好きなのでユウジがいいと思います」と答えを変えて場内から爆笑を誘った。
この映画、堀北真希主演作としてもまったく有名になっていないが、20歳堀北真希の可愛さ鑑賞目的ならベストのひとつ。堀北が結婚してしまった後となっては、見ていて悲しみがこみあがる。これからは山本がテレビに出ていたら即チャンネルを変えようと思う。
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