西田敏行も金田一耕助を演じたことがあると以前から知っていた。なかなか見る機会もなかったのだが、ようやくDVDで見ることができた。
「悪魔が来たりて笛を吹く」は2007年に稲垣吾郎&国仲涼子のフジテレビ2時間ドラマでやっていたのをちょっとだけ見たことがあるのだが、内容をほとんど覚えていない。
石坂金田一のイメージとまったく違う西田金田一、太い!イエスフォーリンラブのバービーに似てる。「釣りバカ」ハマちゃんが関係者から話を聴く。はかま姿で走る。
この映画、椿子爵が自殺した後に、娘の美禰子(斉藤とも子)に金田一さんが呼ばれてからも大量の死者をだしている。それ、探偵として酷い。とにかく陰惨な話。
調べてみたら設定やら何やらが原作と映画、ドラマごとに違ってるらしい。原作ではフルート曲にもトリックがあるらしいのだが完全スルー。なのでタイトルがあまり合っていない。稲垣版では椿子爵役の榎木孝明のいっちゃってるっぷりしか記憶にない。
1回見ただけでは混乱。金田一さんが最後に鮮やかに気持ちよく事件の顛末の説明してくれないのでとてもモヤモヤする。金田一さんの「説明しない優しさ」かもしれないけど。
横溝正史らしい出生の秘密と愛憎と復讐の話だが、ぜんぜんピンとこない。インセストタブーの問題は学校では何も教えてくれないので自分もよくわからないのだが、これほどまでに人を憎み殺人を犯し自殺するほどの理由なのか?天銀堂事件が存在しないといけない理由は何?意味がわからなかったのでもう1回見るはめに……。
作者の横溝正史はヤミ市の店主役で出演。
インセスト・タブー。横溝はどろどろ関係が好きらしく「悪魔の手毬歌」では犯人の動機になっていましたよ。
返信削除犯人は指二本が欠けているんでしたね。だから悪魔の吹くフルート曲は不気味なんだと。原作はこの曲の雰囲気が全編を支配していて、ドップラーの「ハンガリー田園幻想曲」そっくりらしいです。
「悪魔が来たりて笛を吹く」は「女王蜂」とか「病院坂」よりは原作の評価は上だったのに、石坂金田一がないのは、映画化権を東映(西田金田一)に取られたからだな。この時期「八墓村」(渥美金田一)も松竹が撮っていますね。横溝先生は商売が上手だったんですね。
あ、そうか。悪魔の手毬歌もそれが動機だった!
返信削除なるほど、映画化権を各社が争ってたのか。横溝先生も存命中に金田一ブームが起こって、いろんな金田一が見れてよかったなあ。