2015年1月2日金曜日

FUJICA HALF を手に入れた

いつものようにジャンクの箱の中からこれを見つけて取り出した。フジカハーフというカメラ。324円のシールが貼られている。

よく知らないカメラだけど、ジャンクで金属製ハーフサイズカメラはあまり見かけないし、セレン光素子露出計がついたタイプの古いカメラは1台も持ってないし、安いので買ってしまった。

巻き上げレバーが動かないし、露出の針もまったく動かないので、修理できるかどうか不安だったけど。

家で調べてみると1963年の発売だから東京オリンピックの前年か!露出をカメラまかせのオートで撮影できるし、絞り優先でも撮影できるし、フルマニュアルでも撮影できるというハーフサイズカメラはひょっとしてこれ1台しかない?

まずアルコールをつけた綿棒で掃除しながら観察。ファインダー内部のガラスにヒビが入っていることに気づいた。レンズに虫の糞のようなものがこびりついているのでごしごしこすって汚れを落とした。そして分解……

前面の皮をはぐ。ネジが4つあるのだが、うち1つはネジの頭が切れていた。ひょっとすると前の持ち主が落下でもさせたのかな?
セレン光素子が死んでると思いきや、50年たってもちゃんと微弱な電流を流して左側にあるコイルの針を回していた。
それがどうしてファインダー内部の露出の針を動かさないのか……。シャッターを押すにつれ、左側の凹凸の金属が針を両側からがっしり押さえつける。つぎにアーム状のレバーが上から針の位置を測る。アームがてこの動きで反対側のシャッターに計測幅を伝える。そのときにファインダー内の針も動かすはずなんだが……と。

アームが動かないのはおかしいなと、ドライバーの先に力を入れて動かしていたら、てこの動きを上下方向に変えるためのアルミ金属製のカギのついた金属板をバキッと破壊してしまった……。

幸い、ぐにゃっと曲がって外れただけだったので、ドライバーの先でもとの形になんとなく戻して元の状態にはめる(汗)。

おかげでAのマークにあわせないとアームが動かないことに気づいた。そして、ファインダー内で上下方向に動くシリンダー部分(赤枠内)の動きがスムーズでないことに気づいた。なんとなくグリスをさして動かしてたらスムーズに動くようになった。
この部分はセレンによほど強い光を当てないと上の方までスライドしないので、何年も放置しておくと動きが悪くなるに違いない。
そうこうしているうちに、シャッター半押しでちゃんと露出の針が動いてくれるようになった。しかも、その間に巻き上げレバーが回ってシャッターが切れるようになった。

本来なら底のカバーも外してグリスでも指したいところだが、ネジの頭をナメてしまい、ネジを回せない……。ネジと精密ドライバーが合わずに他に3本ほどネジ頭をナメてしまった。とりあえずちゃんと露出が連動してシャッターが切れているので深入りしない。
あと、このフィルム感度を設定するダイアルだが、自分の個体はここがなんとなくぐらぐらしか回らないので取り外してみたのだが、本来なら極小ベアリング玉が挟まっている箇所がある。

カメラの中にベアリグ玉が残っていて、ポトッと落ちてきたおかげで、適切な箇所にそっとハメ置いてなんとか組み立てると、クリック感が戻った。すごく細かい作業だった。ここ、コイル自体を回転させるだけで感度を増減。

で、何度もシャッターを切ってみて、ほぼ正常に作動することを確認して組み立てなおす。皮を貼り直す。そんなこんなで一番上の写真の状態にした。疲れた。そして秋の初めごろ試写につれていったのだが、

24枚撮りを入れたのだが、通常なら48枚撮れるはずが、カウンターが55を指してもまだ撮れる。これは何かおかしいと撮るのをやめて現像へ出してみた。17コマ目までしか撮れていなかった。17コマ目以降はずっとパーフォレーションをスプロケットがガリガリと空回りしているだけだった。ずっと同じコマを多重露光。深谷を散歩したときの写真が全滅……orz うーん、再び原因をさぐる。
フィルム巻き戻しクランクがセルフタイマーのダイヤル内側と接していて引っ掛かって回転しない状態が起こっていることが判明。どうやらフィルムパトローネ側の軸が傾いている。これは経年劣化でこうなるとは思えない。初期不良だったのかもしれない。

しかたがないので軸の穴にドライバーを突っ込んでぐいっと力技で軸を反対側に少しずつ向きを傾ける。あと、摩擦面にグリスを塗った。これでなんとかうまくいったみたい。今まで数回に一回フィルム巻上げレバーがフリーズする現象に悩まされていた。ネジをなめてしまい底部を開けないので根本的な解決はしていないが、発生確率は下がったかもしれない。

では一応17コマしか撮れなかった1本目のフィルムから。フィルムはフジ業務用ISO100を使用。撮影はオートだけで撮った。

うーん、50年前のカメラとは思えない。ハーフサイズとも思えない。今までいろんな古いカメラで写真を撮ってきたけど、このカメラの撮ってくれた画には感動した。
FUJICA HALFのFUJINONほうがPENのZUIKOに勝ってると感じた。

PS. 紅葉シーズンはこのカメラを持って出かけた。フィルム2本目はうまくいったのだが、3本目でまた事故が起こった。フィルムを最初に装填する際に不完全なセッティングだったことによるフィルムを折れ曲がって巻き込むフリーズ事故。撮りたいものが撮れなくなってがっくり……。
324円で買ったカメラだと思うしかない。次回からフィルム装填は慎重にやる。

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