1本目は岡本かの子(岡本太郎の母!)原作の「鮨」
橋本愛&リリー・フランキーで映像化したとなれば興味を惹かれる。自分はまだ岡本かの子の本をめくったことがない。
金魚屋で先生を見かけて声を掛ける。ふたりで空き地で休息。先生の幼いころの話を聞かされる。まるで泉鏡花のような超潔癖症少年で、鮨以外ほとんど食べ物を受け付けられない。
また店に来てくれるように約束したのだが、先生はもう来ることはなかった……という短編。映画化にあたって脚本は原作と多少違っているらしい。
リリーと橋本のかもし出す昭和初期の雰囲気がいい。この二人は完全に名優といっていい。
だが、自分としてはリリー&橋本以上に、リリー先生幼少期の母親役・市川実日子の風貌と台詞が本当にその時代の人に見えるぐらいに絵になじんでいて素晴らしいと感じた。
成海をのめがね姿を見て、「坂口安吾かよ」と突っ込んだら、この短編は坂口安吾原作だった。自分も「一番おかしいのはあなたです!」って怒られたい。
山田は憔悴した男をやらせたら日本一。カフエー女給・黒木華も言葉にできない存在感でそこにいる。さすがの若き名優たち。
波瑠は「恋空」にも出ていたので女優としてのキャリアはけっこう長い。着物が似合う美人すぎて見てるだけで苦しくてつらい。どこか夏目雅子っぽくもある。鼻が高い!見とれてしまう雰囲気のある女優だ。
SECRET: 0
返信削除PASS:
寿司屋の客が語る・・・炒いり玉子と浅草海苔しか食べられない病弱・偏食の息子を治すため、寿司作ってくれた母の思い出。母の掌が手品のように鮮やかで・・・
卵寿司の次が烏賊寿司。その初めての食感が鮮やかに描かれていました。
それから注意深く色と生臭の無い鯛と比良目を握ってくれる。
「平気で食べられた」ことに驚いて子供は「すし、すし」とせがむ。
「鮨」は自分は子供のころ偏食家だったので印象的な小説でした。
SECRET: 0
返信削除PASS:
いつもながら、川崎さんはなんでも読んでる!