1707年、イギリスの艦隊4隻がシリー諸島で座礁沈没し約2000名の犠牲者を出した。理由は……、大航海時代から18世紀まで、人類は海上で自らの位置、緯度は星を見ることでわかるものの、経度を知るすべを知らなかったのだ。
この本は1997年に米国の科学ジャーナリストによるベストセラーの翻訳「Longitude 経度への挑戦 一秒にかけた四百年」デーヴァ・ソベル 藤井留美 訳 翔泳社 1997) これも友人の本棚にあったものなので借りて読んだ。
海洋を航海するうえで、自分の位置がわからないということは大変危険だった。そこにあるはずのない陸地によって船が座礁してしまう。補給をしようにもそこにあるはずの島がないとなると、船員たちが飢えと壊血病で命を落とすことになる。これは大損害。
大英帝国は経度を正確に知る方法を発明した者に賞金を出すということで本格的に対策を開始する。
主に天文学の分野と、当時一日に15分の誤差が普通だった時計を一日に2秒の誤差を目指した技術革新によって、その問題は解決を見た。経度を正確に知る方法を手に入れたことによって大英帝国艦隊は世界の海を制することになる。
この本では主にジョン・ハリソン(1693-1776)という時計職人が、海上でも寒暖の差があっても、正確にロンドンの時間を知ることができる時計を作ることに掛けた情熱と、天文学者ネヴィル・マスケリンらライバル達との争いが描かれている。
科学読物にしては科学と技術的な部分がまったく書かれていない。図説や写真の1枚すらないのでかなりイメージがしにくい。こんなことが!?という驚きはあるもののやや物足りない。
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「経度」からはズレてますが、ちょっと前に「図説探検地図の歴史」(R・A・スケルトン)という古本を見つけました。大航海時代から極地探検まで、地図が果たしてきた役割と世界観の変化を描いた内容ですが、地図が時代ごとに200枚以上載っていたのでなんとか読めました。
更に全然関係ないですが、先週の「マツコ&有吉の怒り新党」でジョン・ケージの特集をやってましたね。採り上げられていた曲は「4分33秒」と「WATER MUSIC」、「ピアノと管弦楽のためのコンサート」 実際の演奏会のフィルムを見ると、腕を組んで聴き入っている観客たちの表情が一番面白いですね。
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自分も昔、古本屋で満州とか樺太の地図とか探すの好きだった。
その本はノーマーク。今後チェックしてみたい。でも、買ったまま読んでない本が数十冊あるからな……。地図と世界観の変化をテーマに尖閣の問題を解説してくれる人っていないのかな。
ジョン・ケージ特集!?見たかった。怒り新党ってそんなことも取り上げるのか!「ピアノと管弦楽のためのコンサート」はCDが部屋のどこかにあるけどほとんど聴いてないのでどんな曲か忘れた。「4分33秒」は「客の反応」こそが音楽。だが、この曲のおかげでケージは作曲家とみなされていない。
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4分33秒って、確か何も弾かないで終わるやつですよね?確かに、何も知らずにあれをおみまいされたら観客は「えっ?」「何やってるんだ?あいつ」ってなりますよ。
確かレギュラー放送してた頃のトリビアの泉でやってました。