2010年9月17日金曜日

Gekkayo 2010年8,9月号

Yui_gekkayo_1_m 現在進行中の4thツアー「HOTEL HOLIDAYS IN THE SUN」に先駆けて多くのインタビューが各音楽雑誌で公開されているが、この「Gekkayo(旧月刊歌謡曲)」2010年8,9月号は他誌とはまったく異なっている。アルバム「HOLIDAYS IN THE SUN」の楽曲解説がメインだがカバーしている範囲が広い。バックナンバーが購入しやすいようなのでオススメ。以下引用
仲良しグルーヴ!本誌読者にも絶大な人気を誇るシンガー・ソングライター、YUI。より自然体で肩の力が抜けたニューアルバムでは歌い方も変わった!?
本誌読者一番人気のYUI。途中に活動停止期間もあり、ファンにとってはまさに待ちに待った2年3ケ月ぶりの二ューアルバム『HOLIDAYS IN THE SUN』(訳・太陽の休日)が到着した。
「お休み中の時は復帰できるかさえ想像することができなかったんですけど…。それでも支えてくれた方々もいて。新しくこのアルバムを出せたのはそうした人たちのおかげ。本当に感謝の気持ちがあります」
YUIでさえも復帰できるかどうかなんて見えていなかったんだな・・・。
最新シングル『to Mother』ではショートヘアにピアノの弾き語りという新しい側面を見せたYUI。今回のアルバムはそんな異色のピアノバラードから幕を開ける。 
「今までのアルバムだと1曲目はギターが歪んだ激しい曲で始まるぜ!って感じの曲だったんですけど、意表を突いてみました(笑)」 
こういう言い方はこの雑誌だけ
全体的に伸びやかでふんわりとした、タイトル通りの休日気分をパッケージしたのが今回のアルバムだ。 
「夏のキラキラした感じにしたかったんです。ドライブしながら聴いてもらえたらいいな。私はたまにしかドライブしないんですけど」 
たまにだけなの?そういえばいまだにどんな車に乗っているのか不明だ
歌い方も特徴のある張りのある発声から、非常に繊細に細い線を紡ぐように変化したよう印象も受ける。とくに『es.car』では繊細さから力強さへの流れが楽曲の良さを高めている。 
「リラックスした感じ…。肩の力が抜けた気持ちのままレコーディングできた事が大きいかも。うん、気持ちです。もちろんきれいにメロディを歌うっていうのもすごく大事だけど、感情をどうやったら表現できるだろうっていう想いの方が強かったかも。すごく自由に歌ってますね今回は」 
ちなみにタイトルの元になっているエスカーというのは、神奈川県一江ノ島にだけある野外エスカレーターの名前だ。 
「好きですね、エスカー。この間初めて乗ったんですけど。スタッフの方と。ちょうど休日だったので家族連れが多くて、休日ムード満点で…素敵だなって思いました。でも本当は夏のデートの歌です(笑)。海のイメージで、恋の始まりの歌。まだ気持ちを確かめあってない距離がある2人の曲ですね。野良猫もたくさんいて、みんなリラックスしてて…ちょっとだけ触りました(笑)。野生だからケンカとかで傷があったりもしたけど、かわいかったです」
全国のYUIオタの知るところとなったエスカーについて言及 
江ノ島は観光地として東京から近いながら、海に囲まれることができる珍しい場所。行きがけの路面店では、サザエなどの海産物を焼いてそのまま食べ歩きも出来る。
「あの磯の香り、ヤバいですね~(笑)。でもその時は下のお店は混んでたので、上まで昇って白子ラーメンを食べるまで我慢しました(笑)」

なんだ?!白子ラーメンって?そんなの知らない。こりゃ行って食べてみないと。
 

そんな自然体のYUIの魅力は『Parade』の歌詞「♪人目を気にしないで」と歌うところにも表れているように感じたが…。 
「歌詞は女の子の…秘密の恋のとまどいの歌ですね。不思議なバランスの曲。今のところこういう恋愛はないんですけどね(笑)。サウンド面でもアコースティックギターのストロークが新しい感じで。リズムがハネててウキウキしてる。まさに開放感ってかんじで」
 
またこのアルバムの一つのクライマックスとなっているのが、『Please Stay With Me』。想いを内に秘めた震える歌唱がとても印象的な楽曲だ。 
「切ないラブソングなので歌ってる時も切ない気持ちになりつつ・‥。感情を中心に表現する曲だと思って。メロディの原型は2年くらい前にできてて、プロデューサーのパソコンにしっかりストックされてたものを元に作りました。歌詞はまだYUI語の段階だったんですけど(笑)。とても弾きやすいし、そんなに速い曲でもないし、メロディがゆったりしてるからバンドでやりやすい曲かも」 
これはYUIとプロデューサーとの製作がどのようなものかうかがい知れるやさしく、活き活きと描かれるアルバムだが、ただ雰囲気だけで突っ走る作品ではない。 
「ちゃんとこう、よしがんばれ!みたいなメッセージ要素も若干入ってますからね(笑)。やさしい曲でもあたたかい曲でも、ちゃんと伝えたいメッセージはあるんです。『Shake My Heart』も、本当に欲しいものは自由じゃないってことや、やりたいこと、欲しいものがあるときに制限やルール・決まりごとがあるのは当然だと思うっていう考えを入れてたり。強い意志もちょっとずつ散りばめてはいるんです」 
同曲のラストにかけてはスタッフにまで声をかけてコーラス部分を録音したという。 
「海の上…クルージング的な、みんなで歌ってる感じ。ライプではコール&レスポンスできたらいいなあって思いつつ作りました」

コール&レスポンスなんてあったか?
YUIはもちろんソロアーティストだが、今回のアルバムでは特にバンドの楽しさが伝わってくる。 
「メンバーとワイワイ楽しくやってるんで(笑)。リハに入ってくこういう曲作ったんだよね〉って言うと〈じゃあこういうドラムにしてみようかな〉〈こういう風にしてみたら〉みたいにコミニュケーションをとりながら作っていってるので、ある意味バンドかも」 とはいえバンドのドラマーにスウェーデン人が参加していたりするのに驚く。 
「すごく一生懸命日本語で話してくれたりするんですけど、よくわかんなかったり(笑)。そんなときはベースのBackyさんが通訳してくれるんです。でも結局言葉でやり取りするより音を出してる時に一番コミニュケーションがとれてるので、そこが楽しいですよね」 実際にバンドとしてのグルーヴ感も、随所に感じられるのが今回の作品だ。 
「本当にみんな仲が良いんですよね。ドラムの舞ちゃんはデビュー当時から知ってるし。地元も福岡の女性なので、お互い博多弁でワーワー言ってたり…。そんな気の抜けてる2人にバンマスでベースのBackyさんが「はい、やるよ練習!」ってつっこむ(笑)。「es.car」は初めてキーボードに女の子のアリサちゃんが参加したんですけど、アリサちゃんの方がしっかりしてたり(笑)。ギターのクロちゃんは本当にほのぼの…あったか~くてやさし~い雰囲気。でもすごくカツコいいギターを弾くんです。たまに舞ちゃんに無茶ぶりして「ちょっとさ…ハードロック叩いてみてよ!」って言ってやってみたり。で、やってみてBackyさんに〈無理、違う!〉って言われて〈戻します〉みたいな流れがあったり(笑)。上手いこと良いバランスになってるんです」
楽しそうだな・・・。YUIとアリサが話が合うのかちょっと心配だな。アリサは普通のイマドキの女の子っぽいし。アリサと比べるとYUIって本当に天然不思議ちゃんっぽいし音楽の求道者だし
スタジオでの練習時間は具体的にどのくらいなのだろう。 
「パックで安い時間なんで。昼から4時くらいまでが普通かな。長い時もあるけど。ライブ前とか目標がある時は集中しますね。何度も演奏してグルーヴを詰めていったり」 
個人練習に関してはどうなのだろう。 
真面目に練習してきた方がカッコ良いと思うんですよ。曲をちゃんと身体に入れておく。いっぱいいっぱいで周りの音が聞こえないようだと楽しめないし。そのためにキメの部分を家で何度も練習したりして。近所から苦情が出ない程度に(笑)。窓開けて弾くと怒られるんで」
今現在のYUIの練習について具体的に訊いたインタビューは初めて見た!
ステレオポニーに提供したセルフカヴァー楽曲「ldo it」では不思議な感覚を感じたという。
 「初めてなんですよね、セルフカヴァー。AIMIちゃんの声やバンドのイメージで作ったから、自分の声と音でやるのは何か…。ちょっと変わった感じに聞こえると思います」 
既発のシングルでもある「SUMMER SONG」を中心に、アルバム全体を染め上げているのは夏のイメージだが、YUIにとって夏のイメージとは? 
「フェスですね!毎年〈ROCK IN JAPAN〉の方にはお邪魔させて頂いてたんですけど今年は3本出るので」

フェスにお邪魔するという表現が面白い。
「私自身は遊びに行ってるって感覚なので(笑)。ちゃんとしようって自分に言い聞かせるために言ってます。フェスの何が楽しいって、他の人のライブが観られる事ですかね。あと昼と夜では違う顔があったりして。雨が降ったりもするし。いいタイミングで夕焼けが来たり…ずるいなって思う時もある(笑)」

だからフェスは全力で参加しなきゃいけないんだよ!
 
様々なジャンルの要素を入れて、バラバラになってしまいそうな所をYUI独特の歌声でまとめあげているのがこのアルバムの凄いところだ。

「ちゃんとまとまるかな?って正直不安だったんです(笑)。でも曲順やサウンドの質感までみんなにも力を貸してもらって作っているうちに満足できるようになりました」
 
そしてラストの『Kissme』。優しい歌声が印象的な作品だが…。
 「毎回アルバムラストに は矛盾や希望をテーマにした曲を入れてるんです。だからこの曲は切なくて甘い曲なんですけど、その一方で現実は(信頼って些細なことで壊れるよね)っていう絶望入りのメッセージを込めてたりもするんです。幻滅だとか…。なのでもしそうした暗い気持ちになったら、ぜひ『to Mother』にいって安心感を得て欲しいですね、1曲目の。で、永遠にループしてもらうという・・・そんな作戦です!(笑)」

なんだそりゃ?


月刊歌謡曲とはデビュー時からの付き合いだからこんなインタビューになったのだろうか?初めて知ることが多くて驚いた。

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