アシモフ他編「クリスマス12のミステリー」(1981)というミステリーアンソロジー本が新潮文庫(1985 池央耿訳)で出ているので読む。1930年代から70年代の英米ミステリーからアシモフがクリスマスをテーマにした短編を12本集めた一冊。
自分が読んだことのある名前の知ってる作家はセイヤーズ、クイーン、ホック、カー、そしてアシモフのみ。残りの作家はまったく知らない。
- 「クリスマス・パーティ」(レックス・スタウト)
- 「クリスマスの万引きはお早目に」(ロバート・サマロット)
- 「真珠の首飾り」(ドロシー・L・セイヤーズ)
- 「クラムリッシュ神父のクリスマス」(アリス・スキャンラン・リーチ)
- 「仮面舞踏会」(S・S・ラファティ)
- 「フランス皇太子の人形」(エラリー・クイーン)
- 「煙突からお静かに」(ニック・オドノホウ)
- 「尖塔の怪」(エドワード・D・ホック)
- 「クリスマス・イブの惨劇」(スンタンリー・エリン)
- 「ディケンズ愛好家」(オーガスト・ダーレス)
- 「目隠し鬼」ジョン・ディクスン・カー
- 「クリスマスの十三日」(アイザック・アシモフ)
いちばん印象に残ったのはアシモフの「クリスマスの十三日」だった。国連ソ連代表部への爆破予告事件を警部の子どもがあっさり鮮やかに解き明かす、わずか5ページの超短編。
あと、ディクスン・カーの「目隠し鬼」は1870年ごろの凄惨な未解決事件の真相。とにかく雰囲気がそれらしくて良い。「そんな真相?」という肩透かし感もよい。
エリン「クリスマス・イブの惨劇」も「え、そこ?!」っていう意外な肩透かしに呆気にとられる短編。
以上の3作はいちど読むことをオススメできる。
あとは、映像作品にしてもよさそうな「尖塔の怪」、シャーロックホームズ譚を固有名詞を替えただけのような短編「ディケンズ愛好家」も印象に残った。
「クラムリッシュ神父のクリスマス」の神父が真犯人に気づくパターンはドラマでよく見かけるやつ。
「クリスマスの万引きはお早目に」は、万引き癖老婆への対処が厳しすぎるという義侠心から、宝石店を懲らしめる母と息子の痛快な短編。たぶん個人商店を経営してる人は逆に楽しめない。
クイーンの「フランス皇太子の人形」は乱歩の怪人20面相やルパン三世の雰囲気のジュブナイルで12本の中では異質。
「煙突からお静かに」も12本の中ではハードボイルド探偵もので異質。
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