三浦綾子「泥流地帯」(昭和52年)を新潮文庫(平成15年50刷)で読む。実は三浦綾子(1922-1999)を読むのはこの本が初めて。この作家は旭川出身。
文庫裏のあらすじがきによれば、大正15年5月の十勝岳大噴火と山津波による被害を描いてるらしい。なのでてっきりディザスター小説かと思ってた。
だが、大正年間の上富良野日進沢の貧しい小作農一家の日々の暮らしを描いた「北の国から」だった。もしかすると倉本聰はこの本を読んでいたのかも?と思った。
小作農家に生まれた兄弟の拓一と耕作。祖父母と一緒に十勝岳の見える土地で日々農作業労働。父は事故で他界し母は髪結い見習いとして札幌へ出て不在。
耕作は学業が優秀だが中学へやる金はない。日進部落の人々は年数回しか米を食べられない。
拓一が気持ちを寄せる幼なじみの女の子も親の借金のカタに妓楼に売られる。それは悲しい。
みんな貧しいので助け合って生きている。馬も貴重な労働力だし家族の一員。ある日いきなり苦しんで死んでしまうと悲しい。
唯一の嫌な人は女郎屋の亭主で高利貸しの深城。威張ってるし。
小学校教員の先生も自分勝手に不機嫌だったり嫌な人。
十勝岳の噴火と山津波の泥流が集落を襲うのは終盤。
大災害とその後の箇所はつらくて読んでられない。この本を読む人は誰もが3.11東日本大震災等でもリアルにあった悲しい場面を想わずにいられない。あと少しで助けられたかもしれない家族のことを想わずにいられない。
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