まだいちども読んだことのなかった松本清張「黒革の手帖」(1980)を新潮文庫上下巻で読む。
この本は米倉涼子や武井咲でドラマ化されているのだが、その内容にぜんぜん気持ちが惹かれなかった。
30歳の銀行窓口OL原口元子は大金を横領。バレても上司たちは不祥事を隠蔽したい。むしろ逆に脅す。まんまと人様の金を手にした元子はホステスを経て銀座でナイトクラブ経営へと乗り出す。経営は素人だが元銀行勤めならではの帳簿を見る目はしっかりある。
そして、お金をたんまりため込んでる産婦人科医の偽名口座をつかんで恐喝。
さらには医大進学予備校理事も裏口入学斡旋で得た多額の金があるとにらんで恐喝。
これで店をさらに手広く経営できる。
だがしかし、下巻後半から元子は大ピンチ。今まで他人を騙していたつもりが、今度は自分がダマされる。まるでコンフィデンスマンのような手口。
ここからはどんな展開になるのか予想がつかなかった。夜の銀座に集まる魑魅魍魎と悪党たち。色と欲。金へ執着する悪人たちの怪獣戦争。まるでナニワ金融道。
正直、そのクライマックスまでの清張せんせいの筆の運びがとにかく遅くて慎重。読んでて疲れたし退屈。
だが、ピカレスクロマン小説として、そのラストは良いのだがバカホラーっぽい。自分は「太陽がいっぱい」という映画を連想。
女の浅知恵で海千山千のプロと戦ってはいけないという教訓。
あと、昔ってタクシー運転手がすごく態度が悪くて驚く。とくに乗客が若い女だと言葉遣いも乱暴で横柄。今もそうかもしれないけど。
そして、この時代って語尾が「ざます」とか言う男がいたのか。

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