「ジャッカルの日 The Day of the Jackal」(1973)を見る。昨年NHKBSで放送されたのを録画しておいたやつで。
原作はフレデリック・フォーサイス「ジャッカルの日」。監督はフレッド・ジンネマン。脚本はケネス・ロス。ユニバーサル・ピクチャーズ映画。同年に米英仏日で公開。
フォーサイスの原作はすごく面白い。誰でも一度は読むべき。そして、この映画はほぼ原作に忠実。
フランス国家中枢と内務治安の幹部たちが正体不明の英国人殺し屋ジャッカルを追う警察サスペンス。
フランスが舞台だが全編ほぼ英語のみ。もしかして英語吹替え版?
殺し屋ジャッカルはエドワード・フォックスという俳優だが自分はよく知らない。
この人はスーパー有能で非情。親切にしてくれた一般人すらも邪魔になれば即座に殺す。なのであの非情なラストも仕方がないと視聴者に思わせる。
カジュアルに街のマルシェで西瓜を買って、次のシーンで特注銃の標準機調整テストに使われるとか面白い。
この人には殺し屋として何も落ち度がなかった。アルジェリアを売り渡した裏切り者ドゴールを始末したい組織がダメ組織。殺し屋を雇ったことがバレたためにフランス警察から追い回されるハメになる。ああ、そんな仕事を引き受けるんじゃなかった。
鳩の世話してるときに警察総監から緊急呼び出しされる有能おじさんルベル刑事がマイケル・ロンズデール。「薔薇の名前」「ミュンヘン」を見た人なら一目でわかる。
ドゴール大統領の命を狙う殺し屋がフランス国内に侵入したという国家の危機の責任者にされるシーンが面白い。見た目がぜんぜん鋭そうに見えない。こんな普通のおじさんがフランス警察の臨時のトップに?
ジャッカルがイタリアからフランスへ、アルファロメロで入国するのだが、ドゴール時代はこんなにも出入国管理の現場が厳格で緊張感のあるものなのか。
そして、普通の田舎駅にも自動小銃構えた兵士がいる。怖い。
そして、解放記念日のパリの街角でパレードを見る市民。人相が悪く挙動が不審に思われると、あんなに酷い取り調べを受けるのか。何も怪しい所持品なくても何もねぎらいや謝罪の言葉もない。
この映画、見始めた最初は、ああ古い映画だなと感じたけど、ドゴールのフランスを違和感なく撮影できてて良いなと感じた。ポンピドゥー時代のフランス。
活字で読んだだけではイメージできないパレードと退役軍人への叙勲イベントの映像がとても良いし貴重。たぶんもうパリで同じような撮影はできない。
今のフランスからは想像できないぐらいに、パリの街に一切まったく黒人がいない。これが自分が子どものころイメージしてたパリ。
暗殺が失敗に終わる場面では、現代人の誰もがペンシルベニア州バトラー近郊でのトランプ大統領暗殺未遂事件を連想。こちらの犯人もジャッカルと同じことを想って死んだに違いない。
ルベル警部に呼び止められて付いていった警察官は悲劇。死後昇進してもな。残された家族に少しはお金が入るのかな。
謀略と諜報の世界の非情。英仏両国警察組織の必死のパッチ。娯楽作として面白く見れた。この映画を今見て良かった。




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