森村誠一「新・オリエント急行殺人事件」(1985)を角川文庫で読む。これも無償で頂いてきた本。
森村誠一(1933 - 2023)の本は角川文庫に赤川次郎と並ぶぐらい膨大な作品リストがあるのだが、自分は今まで一冊たりとも読んだことがなかった。今回初めて読む。
この本、アガサ・クリスティの世界的有名作を意識したものに違いないのだが、その雰囲気はまるで違う。クリスティを期待して手に取ると期待外れになるだろうと思う。表紙のイラストもいただけない。登場人物たちが80年代の中高年にしても、なぜにこんなおばさんイラスト?
冒頭でオリエント急行ツアー団体の風景が出てくるのだが、その後は団体ツアー参加者の間での連続殺人。
遺跡発掘現場での白骨死体、ツアー参加者限定記念品バッジ、金属ネックレス、動機、アリバイを刑事が聞き込み。
やがて少年児童ひき逃げ事件、不動産トラブル、不倫、怨恨へと広がっていく。ほぼ松本清張と同じような雰囲気。
正直、読んでいて失望していったのだが、クリスティのオリエント急行を逆手に取ったアイデアにだけは感心。
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