アントニイ・バークリー「毒入りチョコレート事件」(1929)を1971年高橋泰邦訳の2009年創元刷文庫新装版で読む。これ、コロナ期間中の2022年にBOで55円で売られていて確保しておいたもの。3年積読後、やっと開いた。
THE POISENED CHOCOLATES CASE by Anthony Berkeley (Francis Iles)1929
ロンドン・ピカデリー大通り「レインボークラブ」の会員ユースティス・ペンファーザー卿にチョコレート製造会社「メイスン父子商会」から届いたチョコレートボンボン詰め合わせが事件の発端。このチョコレートを偶然持ち帰ったペンディックス氏とその妻が食べてしまい、2個食べた夫は一命を取り留めるも、7個食べた夫人は中毒死。
アマチュア探偵ロジャー・シェリンガムは有志メンバーからなる「犯罪研究会」でこの事件の推理を披露しあう。
この小説、多重推理の傑作としてミステリー史において名前の挙がる名作扱い。自分も学生時代から名前は知っていた。今回初めて読んだのだが…、なんか思ってたのと違った。
てっきりクリスティ「火曜クラブ」みたいな感じかな?と予想していたのだが、正直、そんなに面白くないw 今日あまり読まれていないのも納得。
自分としては大岡昇平「事件」並みに面白くなかった。そういうの求めてないって箇所にこだわって停滞していたように感じた。
英国犯罪有識者たちによるマウントの取り合いが読んでいて痛いw 大正昭和初期の乱歩みたいに、それ合ってる?という犯罪学知識を戦わせ合う。そういう教養主義の時代を感じて古くさい。
いきなり参加メンバーの刑事弁護士紳士に罪を着せたりと波乱の幕開けで「もしかすると面白いかも」と期待したのだが。
読んでいてストーリー展開とテンポにおいて面白くないな…と感じてたのだが、そのラストはちょっと驚きと意外性はあった。
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