THE PLAGUE COURT MURDERS by Carter Dickson 1934
ディクスン・カー/カーター・ディクスンを久しぶりに読む。もうこの作家にそれほど期待していない。これはコロナ期間中にBOで55円で購入。いくらなんでもそれは安い。もしかするとバイトくんが値付けを間違えたのかもしれない。
これがHMことヘンリー・メルヴェール卿初登場の第1作長編。といっても本の真ん中あたりまで登場しない。
私(ケン・ブレーク)は友人ディーンに幽霊屋敷で一緒に一晩明かしてくれないか?と頼まれる。なんでも幽霊の出る屋敷らしい。ブレークくんはさらにマスターズ警部も連れて問題の幽霊屋敷「黒死荘」へ。
その屋敷ではディーンの婚約者と降霊会の最中。
だが、庭に建つ石造りの密室内で、降霊を行う心霊研究家ダーワースは血の海で死んでいる…。
ここから先はマスターズ警部の取り調べ。博物館から盗難された剣の創作で現場に闖入してきた警官、そしてブレークくん(過去に警察に協力して事件解決した過去が?)らと現場の関係者に聞き込み捜査。(欧米人は夜更かしに強い)
現場に居合わせ困ったフェザートン少佐とブレークくんは陸軍省へ。多忙そうなヘンリ・メリヴェール卿に協力要請。
カーター・ディクスンを読んでいて毎回思うのだが、事件のあらましの説明がとにかくわかりにくい。そして、事件の真相がわかったらしいHMの説明の構成力がとにかく酷い。
カーター・ディクスンが人気でアガサ・クリスティーに及ばない理由がわかる。もっと劇的にわかりやすく書け。構成がとにかくわかりにくいし、話が予想通りテンポよく進まない。爽快感もない。ドイルやアガサのように映画化もされないのも納得。
しかし、密室殺人のバリエーションのひとつとしてトリックに感心はした。犯人も意外。
0 件のコメント:
コメントを投稿