池松壮亮の金田一耕助、淵邉恵美プロデューサー、NHKエンタープライズ制作の「シリーズ横溝正史短編集Ⅳ」(2025)が3月28日にまずBS4Kで3作イッキに放送された後に、BSプレミアムで4月に隔週で1話ずつ放送された。
なんと池松金田一シリーズは10年目に突入。石坂金田一が4年しかないことを考えるとそれはすごい。
案の定、第1話「悪魔の降誕祭」を見逃したw だが、今は失点をリカバリーできる方法がある。全3話を観させてもらった。
「悪魔の降誕祭」演出:佐藤佐吉、朗読:北大輔
これは原作も面白いので期待して見た。月城かなと、竹本織太夫といったテレビ視聴者が見慣れてない新鮮キャストで話題。YOU、板谷由夏は「女の決闘」以来の2回目。
等々力警部がヤン・イクチュン。この人のことを自分はよく知らないのだが「貸しボート13号」にも出ていた。韓国人なので「さちゅじんじけん」「だちゅいじょ」など「つ」の発音が言えていない。難しい台詞を言わされてむしろ気の毒。これは敢て何らかの意図のある起用か?
そして、服部由紀子を演じたのは蒼戸虹子16歳。ほぼテレビドラマ初演技ではないか?
このシリーズは原作をほぼ忠実に再現することがウリだが、「由紀子の顔がいびつにひんまがり、体が大きくねじれ、畸形があらわれている。」の箇所はまたしてもおおげさパントマイム。16歳新人女優にとっては試練だったろうと思う。
「鏡の中の女」演出:宇野丈良、朗読:芋生悠
この短編は読んだことがなくまったく知らない。「金田一耕助の冒険」に収録されている1957年に発表された短編らしい。自分、角川文庫の「冒険」の表紙イラストが気に入ってなくて今もまだ買ってない。
これ、開始数分で「犯人はこいつやな」ってだいたい見当がついてしまう。
中嶋朋子さんは自分の中では今も「つぐみ」の可憐な少女のまま。今回見て、ああ年取ったな…って思った。田中要次さんも意外なキャストだが、古谷警部補の 福地桃子も意外なキャスト。この女優、なんと哀川翔の娘なのか。
そして愛人役に俺の中村ゆりか。機の強そうな美人役として最も適任。美人すぎ。とくに台詞がなく、見切れる程度に出演する脇役。役不足。
「湖泥」演出:渋江修平、朗読:二又一成
今作が最大の注目。原作からして大好き。すごく横溝正史らしいおぞましい短編。
昭和20年代の地方の田舎の人々の身なりの汚らしさがテレビドラマの限度を超えていて衝撃。
それに登場人物が義眼の被害者女性・御子柴由紀子(ジュリアンヌ)以外全員メガネという謎演出!w
見えない犯人の叙述トリック的演出!さすが渋江修平。衝撃的な映像化。
「金田一さん!金田一さん!」と慌てふためいて現場へ急行するシーンがあるのが良い。とにかく良い。グロい事件なのに笑ってしまう。
原作を読んだときよくイメージできてなかった「米搗き小屋」が想像以上にデカかった。
嶋田久作さんのキャスティングは第1作「百日紅の木の下にて」以来か?なんだかすごく三國連太郎さんに似てきた。
井之脇海と宇野祥平、巡査の濱田龍臣も見た目が汚い。テレビで見慣れた昔の警察官でなく、しっかり資料写真などから再現したと思われる警官姿がとにかくリアルで感心。
磯川警部はくっきー。この人すごく演技が上手いと感じた。説明台詞に説得力を感じた。
朗読が二又一成さんだがすぐにわかった。この人は80年代からアニメ声優。最近は映画でナレーションをしてるのを耳にする。
このシリーズ、まだまだどんどん知られざる短編を映像化していってほしい。なんなら全作やってほしい。自分の好きな俳優女優はみんなこれに出てほしい。
0 件のコメント:
コメントを投稿