2025年4月16日水曜日

ヴェルヌ「八十日間世界一周」(1873)

ジュール・ヴェルヌ(1828-1905)「八十日間世界一周」(1873)を読む。昭和38年江口清訳の昭和53年改訂訳による平成16年角川文庫版で読む。
明治11年には邦訳が出ていたというから、昔から日本人にも親しまれていた冒険小説。

マイケル・アンダーソン監督による映画(1956)を見た後に初めて原作を読んだわけだが、映画版はとても原作に忠実だったことがわかった。
映画も楽しかったけど、原作もとても楽しく読めるし面白い。

映画だと従僕パスパルトゥーがほぼパントマイム演技でほぼ天然に見えるのだが、原作では心の声もしっかり書かれている。
フォッグ氏にずっとつきまとうフィックス刑事の正体を事前に知らせておかなかったことで、あと少しのところでロンドンに辿り着けない…というところで強く悔やむ。主人であるフォッグ氏に対して忠実で誠実で真面目な仕事ぶりの忠臣として描かれる。

だが、あの印象的な熱気球での移動は原作になかった。あと、アメリカ西部編では鉄道に末日聖徒の宣教師が乗り合わせていてパスパルトゥーが説法を受けるというシーンは映画にはなかった。

インドの邪教徒から美女を救い出すとか、インディアンの襲撃とか、旅を急いでる途中で邪魔が入るとか、まるで面白い映画の脚本のよう。たぶん「インディ・ジョーンズ」もこれの影響?
燃料が尽きて艤装と甲板の木材を燃やすくだりは、「未来少年コナン」でインダストリア当局からの追跡から逃れるバラクーダ号のシーンの元ネタか?

面白いのでまだ読んでない人はぜひ一読を。こんな楽しい空想冒険小説を読まないなんてもったいない。

ここ数年、すごくアジアゾウのこどもと一緒に遊ぶことが夢。ゾウさんのいる動物園に行きたい。

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