2024年12月21日土曜日

ダン・ブラウン「ダ・ヴィンチ・コード」(2003)

ダン・ブラウン「ダ・ヴィンチ・コード」(2003)をついに読む。2006年越前敏弥訳角川文庫上中下巻で読む。邦訳が出てそろそろ18年。やっと読む気になった。
THE DA VINCI CODE by Dan Brown 2003
この本は世界でも日本でも売れまくったので、今も古本屋でたくさん見かける。読みたいときにいつでも読める。そういう状態だとなかなか手を伸ばせなかったw 
しかもすでにトム・ハンクス主演映画3本を観ているので内容を知っている。

読み始めて最初に思ったのが、とても読みやすいということ。(英米文学はとかく読みづらい。)越前訳のおかげもあるかもだが、とても訳文が平易ですらすら読める。日本語として違和感を感じる箇所がまったくない。へんな倒置や逆説がない。
英国富豪学者ティービングのジョークがすべりまくってたのは気になったが。

難しくて読みにくいという声も聴いていた。しかしそれは、キリスト教や中世ヨーロッパ史が多くの日本人読者にとって馴染みがなかったからかもしれない。自分としてはむしろこれ以上わかりやすい説明はないだろって思った。

象徴図像学が専門のハーバード大教授ラングドン先生が、警察から呼び出されるとそこには凄惨な館長の死体。ダイイングメッセージは「ラングドンを探せ」
容疑者にされたラングドンが警察に追われ、カトリックとオプスデイの陰謀に巻き込まれていく壮大なストーリー。

パリ警察暗号解読班の女刑事ソフィーに強引に現場から逃亡するように仕向けられ巻き込まれて行く様はちょっと情けなくて面白くて笑ってしまう。ラングドン先生がダイハード並み災難。いや洒落にならん酷い話やで。
事件と関係ない見当違いの容疑者ラングドンを必死で追いかけるファーシュの間抜けぶり。これも探偵冒険小説の伝統かもしれない。

この本は上中下各巻の冒頭で「すべて事実である」と断り書きがある。え、それって普通は逆じゃない?
そのせいかもだが、世界中でこの本に書かれていることを真に受ける人々が続出。それも酷い話やで。

いや、全3巻もあってぐだぐだ長いのかな?って思ってた。予想外に面白くてサクサクとページをめくれた。良い意味で冗長で、わかりづらい所がなくて置いていかれることがない。

聖杯の在処を知らせるパピルスを収めた箱を持って、殺し屋や警察から必死に逃走しながら、独身中年男性が自身の専門知識を活かして美女と謎解き。こんなの面白いに決まってるという大冒険。
やりすぎ都市伝説風味の現代のインディ・ジョーンズ。ほぼ映画脚本のような練り込まれた展開の冒険スリラー娯楽作。トム・ハンクス映画はすごく原作に忠実だったと知った。

ラングドン先生は真面目で固い。じゃないとハーバードで教授職にいられないのかもしれない。

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