ウィリアム・ギブスン「ニューロマンサー」(1984)を読む。ハヤカワSF文庫2014年トールサイズ新装版で読む。
NEUROMANCER by William Gibson 1984
ウィリアム・ギブソン(1948 -)による画期的なサイバーパンクSFの元祖。偉大な金字塔。
この小説を読んだ海外の人々は千葉(シバ・シティ)をサイバーパンク世界だと誤解するかもしれない。だが、この小説によって千葉は世界のシバ・シティ。
実はこの本を読むのは2回目。18歳のときに読んだのだが、当時はドット画のような人間上半身コラージュ画の表紙だった。当時持っていた本はその後の何度かの引越しの過程で処分し失われてしまった。(現在の新装版表紙はあまり作品の世界観と合ってないように思う)
黒丸尚(くろま ひさし 1951-1993)は東大法学部卒の英米文学翻訳者。
この人の訳(1986)がすごい。漢字表記にカタカナ英語ルビがふってある。これは世界で日本人だけが感じることのできる独特な世界観。この人の翻訳だったからこそ多くの日本人にカッコイイと口コミで読み継がれたのかもしれない。
初めて読んだときは、内容がまったく頭に入ってこなかったw この文体がとっつきにくい。わかりづらい。テンポは良いのだが誌的でもある。
この本を何の予備知識もなくいきなり読み始めた人はずっと「?」という文字が浮かんでる。どういう意味でその用語を使ってるのか?しばらく考えてもわからないので、そのまま読み続けるのだが、それでもなんとなくしかわからないままになってしまう。
できることなら、事前にその世界観とストーリーを予習しておいたほうが楽しめる気がする。
ケイスというコンピュータ・カウボーイ(ハッカー)が企業の「氷」アイスをブレイクしデータを盗む。だが、以前の仕事でやらかして能力を奪われ荒んだ日々。
そしてまたヤバイ仕事に手を出して電脳世界へ…というサイバーパンクSFならではのギミックと味付けのハードボイルド探偵もの…といった感じ。会話のかっこよさは今も新しいし色あせてない。
この本、人によってはすごく褒めてて熱く語ってる。だが、自分はこの世界をどう思い描いていいのかよくわからない。脳内でイメージの解像度が低いまま。
令和の今になって読めばわかるのではないか?と今回ふたたび読み始めたのだが、やっぱりよく映像をイメージできない。
たぶん人それぞれで千差万別だろうけど、「ブレードランナー」の世界観は共通かもしれない。
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