京極夏彦「姑獲鳥の夏」(1994)を読む。講談社NOVELS(2006年34刷)で読む。
じつは人生初の京極夏彦。あまりに分厚い本ばかりで、なかなか手に取ることがなかった。
今回はまずシリーズ最初の「姑獲鳥の夏」を選んだ。2005年公開の実相寺監督の堤真一主演の映画はすでに見ている。だいたいの内容を知った上で読む。
映画でだいたい内容を知った状態で読むので、登場人物たちをそのまま映画キャストで脳内再生してしまう。
久遠寺病院の娘が身ごもって20か月。そんなことって現実にある?と相談にやってきた関口。
京極堂と関口くんの会話がとてつもなく長い。旧制高校を卒業したインテリたちはこんな会話をしていたのか!?という驚き。視覚と脳と認知に関する科学と哲学の論争。自分も昔は30代になったらこんな会話ができるようになるのかと思ってた。
この本の内容を他人に説明するのは難しい。もう30年前の作品だが、一周二周回って新鮮だった。活字で読むとさらにおぞましい。
病院炎上シーンは映画オリジナルのイメージ要素だったんだなと知った。
京極夏彦の書く本はとにかく分厚いのだが、「姑獲鳥」はたぶんいちばん薄い。とはいっても2段組み活字で429ページだが。
面白かったので、今後このシリーズを読んでいこうかと思う。
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