「図書館戦争 THE LAST MISSION」(2015)も続けて見る。前作と同キャスト同スタッフによる。監督は佐藤信介。脚本は野木亜紀子。
配給は東宝。なんと邦画史上初めての「ドルビーサラウンド7.1」での劇場公開作。
今回もやはり戦争映画。さらに思想を取り締まることに執念を燃やす狂った松坂桃李が図書隊にいどんでくる。
これも「華氏451度」のような近未来パラレル日本SF大作。自分、当時はこの映画にまったく関心がなくスルーしてた。「空母いぶき」と同じような方向性の中二病映画。今回も流して見る。
日本を舞台に特殊部隊同士の組織的大規模戦闘はこんなSF設定でしか描けない。こういう映画が見たいという需要があって、そこにあったのが図書館戦争という本。図書館の貸し出し窓口にいる人たちがみんな軍人みたいな制服着てるのが面白いっちゃ面白い。
今回は内部にも邪魔者と裏切り者がいてさらにめんどくさい。榮倉隊員が冤罪に巻き込まれる。偉い上司たち(手塚とおる、デビット伊東)が無能で敵。長時間の尋問で自らの空想する筋書きをニヤツキながら述べる。昭和平成の警察みたいで見ていてイライラとストレス。
榮倉に接触してくる松坂桃李がワイン談義始めたところで、ああ、こういうの苦手だと感じた。検閲の未来について議論。
ひたすら議論の映画とか誰が楽しいのか?見続けるのがつらくなってくる。
周囲に人がいるレストランでする話題か。それにヒロイン榮倉はアホ。冤罪を晴らすなら松坂との会話を録音しろ。とっとと帰れ。
途中から上官岡田がやってきて榮倉を連れ帰る。ラブ要素も盛る。コミカル要素も盛る。やっぱりアニメ好きラノベ好きに向けたようなドラマ。各キャラがアニメやラノベっぽい。いい大人が見るにはいろいろつらい。
戦争を描くアニメ映画が好きな人向け。作り手はガンダム世代?
佐藤信介演出の接近戦闘シーンは見ごたえあってなんとなくカッコイイかもしれない。
音楽で盛り上げて感動げにするのは嫌。結果、何が何だか…という映画。
たぶん原作もそう。自分、まだ一冊たりとも有川浩を手にとったことがない。これからも手にとらないんじゃないか。
危険な本であったとしても、そのたった一冊の本を命がけで後世に伝える。それは「薔薇の名前」という映画の事を思い出した。
敵側の中ボスを演じた相島一之さんはミャンマー国軍の独裁者軍人とかにイメージがぴったりな風貌だと思う。
こんな荒唐無稽SFよりも、ミャンマー軍政府に捕られられた日本人ジャーナリストを救出するために特殊部隊を派遣し奪還する…というような作品を邦画にも期待したい。
ちなみに「THE LAST MISSION」の最後の方にちらっと土屋太鳳が出てくる。映画公開に合わせてテレビドラマスペシャルが放送された。土屋はそちらのほうにヒロインとして登場している。
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