2021年7月1日木曜日

恋する惑星(1994)

ウォン・カーウァイ監督が日本で知られる最初の映画「恋する惑星」(1994)を初めて見る。香港での公開が1994年。日本での公開が1995年。
そうか、時代は香港返還前夜か。この時代、フェイ・ウォンの歌う「夢中人」がすごく流れていた。

原題の重慶大厦とは尖沙咀にある雑居ビルの名前。邦題とまったく違うが、香港映画の場合どんな邦題をつけるかが重要。この映画の場合「恋する惑星」でよかった。

香港警察の私服刑事モウ(金城武)は夜の香港で捕物帳。しばらく説明セリフが続く。街角の黒電話で会話する一人芝居が続く。どうやら女と喧嘩?公務中じゃないのかよ。
この青年がちょっとバカっぽい。こだわりパイン缶バカ食い男。お喋り大好き男。こいつ何も仕事してる感じしない。

レインコートに金髪サングラス女(ブリジット・リン)颯爽と登場。夜の街でサングラスしてる人ってタモさんの他にもいるのかよ。
このサングラス女がインド人たちを従え怒鳴りながら買い物。くわえたばこ作業で麻薬を靴や衣服、家電に隠してる。どうやら麻薬覚せい剤の運び屋。これで空港を突破するつもりか。夜の香港と反社組織の風景。

映画開始から25分以上たってやっと金城と金髪グラサン女はバーで出会う。鈍感青年モウ刑事は話しかけ続けるけど相手にされない。
そして泥酔。金城青年は女を高層ホテルへ。男はぼんやりテレビを見てポテトをつまむ。

40分経過してやっとセクシー警官トニー・レオンと短髪娘フェイ・ウォン店員登場。香港の警官は公務中も女のことばかりなのか。規律が緩そう。

女は音楽に乗ってゆらゆらしてる。香港の店主はどいつもこいつもお喋りなのか。なんで街角惣菜店で連絡を取り会う?なんでみんな封筒に水蒸気あてて私信を当たり前のように盗み見る?ケータイのない時代はたいへんだ。

そういえば日本の警察官は香港と違って路地裏の汚い店で制服姿のままメシ食ってないな。
警察官トニーレオンも部屋で独りシーンだとなんかバカっぽい。何やってる?

CA女がトニーレオンに手を振ったエスカレーターはあそこか!自分、1回だけ香港行ったことあるけど、このエスカレーターは行かなかった。ちょっと後悔。

映像はスタイリッシュだが、雰囲気映画。90年代中頃の香港の雰囲気を感じられる映像。ミュージックビデオのような映画。じっくり見てもどんなストーリーだったか語れるものがない。

2組の男女のエピソードがどこかで絡んでくるクライムサスペンス的な映画なのかな?って思って見てた。序盤で銃撃戦とかあるし。だが、何も関係ない2つのエピソードだった。恋愛短編文芸作品風ミュージックビデオ映画だった…。
それでもクリストファー・ドイルの撮る映像のかっこよさがビシビシ伝わってくる。

もう今の若者はポケベルのシーンを見ても意味が分からないだろうと思う。あと、香港の夏は暑そう。だからこそみんな夜じゃないと出歩かない。

0 件のコメント:

コメントを投稿