引き続き京極夏彦の実写映画化「魍魎の匣」(2007 ショウゲート)を見る。これもDVDが出た直後に見て以来2度目の鑑賞。
当時の自分は何も意識してなかったけど、監督脚本は原田眞人。実相寺監督をなぜ変えた?実相寺監督は2006年に亡くなっていた。
主要キャストの中で唯一関口役が永瀬正敏(急病につき降板)から椎名桔平に交代。
これも特に面白かった記憶がないが、ロケ地を含めて映像として雰囲気は好きだった。昭和20年代の東京近郊風景を中国上海近郊で撮っていることが新鮮だった。
変態作家役で宮藤官九郎が出てたことと谷村美月が出てたことも覚えている。少女連続バラバラ殺人を扱うので「姑獲鳥の夏」以上に気持ち悪かった。
今回は榎木津(阿部寛)が冒頭から目立ってる。映画女優柚木陽子(黒木瞳)から失踪した娘加菜子を探してほしいと依頼される。連れ去った男の目星はついている。世話係の雨宮と弁護士の増岡。遺産相続が絡んでるらしい。
加菜子の親友が頼子(谷村美月)。この時期の谷村美月は新進のアイドル女優として映画で大活躍してた。
関口はカストリ雑誌「實録犯罪」に文を書いて小遣い稼ぎをしていた。記者のマギーと京極堂の妹敦子(田中麗奈)とバラバラ殺人を追っていると新興宗教「穢れ封じ御筥様」に出会う。この宗教がいつの時代だよ?室町かよ!という汚れた財産を喜捨させる悪質な教団。バラバラ殺人の犠牲者がこの教団から発生してる?
日本は終戦後こんな新興宗教がたくさん流行ったんだなあ。潜入取材する田中麗奈がかわいい。なんか、TRICKで見たようにユーモラスシーンを盛る。
加菜子は駅ホームから何者かに突き落とされ美馬坂近代醫學研究所に収容される。この匣のような建物内部のロケ地が大谷石の大谷資料館の地下神殿。ロケ地には首都圏外郭放水路も出てくる。加菜子は芋虫のようになってしまったが顔は無傷。おぞましいゴシックホラーSFのよう。
で、少女谷村を箱に入れる変態サイコパス作家久保竣公(宮藤官九郎)。こいつがぞわわとする嫌~な激キモ野郎。自分が俳優宮藤官九郎を初めて認識したのはこの映画だった。
捜査が嫌いな探偵榎木津が何かを調査してる場所が静岡県島田市の河北製品所。日本各地と中国、いろんな場所で撮影してる。そこで榎木津が発見するものが激グロ死体w この映画のクライマックス。
この映画は原作を読んでる人や一般映画ファンからはつまらないと酷評。堤の新興宗教退治シーンは誰もが煙に巻かれる。結局、憑き物を落とすとか何なの?
だが、映画は原作と完全別物でかまわない自分からすると雰囲気と映像がいいので見れる。マッドサイエンティストSFもの映像作品として嫌いじゃない。柄本明の城はほぼドクターモローの島。こんな狭い通路の違法建物を登っていくとか、2000年の9.11テロでのWTCの映像を見た後ならとてもできない。
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