「King & Prince」の平野紫耀と橋本環奈の主演で実写映画化されたラブコメマンガ「かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦」(2019 東宝)を見る。
自分、橋本環奈主演作を見るのは今作が初めて。世間の知名度ほどに橋本環奈をよく知らない。ずんぐりした橋本に自分はそれほど萌えない。
日本の中枢を担う人材を育成し排出する私立秀知院学園の頭脳明晰な生徒会長・白銀御行(平野紫耀)と、大財閥令嬢副会長・四宮かぐや(橋本環奈)のふたりが主人公。荒唐無稽マンガ設定。
開始10分、佐藤二朗のナレーションによってそのへんの世界観と登場人物キャラは紹介される。
映画でありながら、あとはひたすら平野と橋本の心の声の朗読と大げさな顔芸で進行する、日本にしかない頭脳戦ドラマ。
監督は「俺物語!!」「ニセコイ」の河合勇人。脚本はドラマ「海月姫」や映画「翔んで埼玉」の徳永友一。
まるでほぼアニメのノリ。というかアニメ化を経ての、人気アイドルによる実写化でさらに金を稼ごうというマンガ映画。パワポとCGアニメが加わった動いて喋るマンガ。こういうの、映画と言えるのか?
アニオタは喋りの戦いが好き。こういう人材は外交交渉や司法の現場で活躍するべき。
先を読む明晰すぎる頭脳と、高すぎるプライドが、互いを意識し合う仲のふたりの進展を遮る。
何もないままに2年生。告白したほうが「負け」という謎思考にとらわれるようになった御行とかぐやは、いかにして相手から告白されるかだけを考えるようになっていく。
最初は「告白されたら付き合ってやってもいい」という意識だったのだが、智謀策略を駆使し相手に告白させようという戦いに発展。
橋本かぐやはマリーアントワネットのような貴族の食事風景。その一方で平野御行は平民階級。狭い部屋にちゃぶ台で食事。映画に行く息子に「認めん。そんなドラ息子に育てた覚えはない。なんのために高い学費払って名門校に入れてやったんだ?」という父高嶋政宏に対し「特待生だし1円も払ってないのに」とつっこむ妹。ここはひとコママンガとして面白い。
お嬢様副会長は忍びの者を駆使しぐうぜん同じ時刻に同じ映画館で会長と会う。平野会長は映画前売り券を座席指定入場券に替えるシステムをまるで理解していないお嬢様副会長をつっこみつつ策略をめぐらす。それだと席が隣にならないぞ!汗
恋愛相談をされる会長をドローンをつかって諜報。バレンタインにチョコボール3つぶもらったという男子と会長の恋愛アドバイスに大げさに顔面でつっこむ橋本に感心。会長のヘンテコアドバイスがたまたま成功して驚くとことか面白くてカワイイ。
この男子生徒が思いを寄せる美少女柏木さんが池間夏海。まるでアニメのような質感。池間の適切な使い方。池間は顔がユニーク。
生徒会にいる浅川梨奈。この子はいろんな映画やドラマで見かけるけど、どれも印象が違う役をやってて感心しかない。個性派女優の道を歩んでる。(この映画ではビキニシーンもある)
この女の話題が飼い犬しかないのだが、「ち〇ちん」で橋本がコーヒーを吹くとことかも単純だけど可笑しい。下品なネタに笑ってしまうということがバレてしまう…というところもネタとして可笑しい。この箇所が小学生男子かよという笑い演出。(ちん〇んという言葉を無理矢理言わせようとする女ってなんなんだ)
ツッコミどころを適切に突っ込んだりスルーしたり。生徒会長選挙でのソーラン節と心臓病の件は「それ必要?」って思った。グダグダ過ぎてここは特に笑えない。公開時に劇場がシーンとならなかったか心配。
結果、ショートコントとして笑えるだけ。その場その場で短期的に可笑しいだけで、次の瞬間には忘れていく内容。
この手のコメディスウィーツ映画としては、スベる緊迫感を味わえるという点でかなり笑えた。
主要キャストがみんなコメディーに向いていたのかもしれない。「ニセコイ」でも思ったのだが、河合監督のコメディーセンスが人と多少ズレているのが良いのかもしれない。
結果、2時間映画として全体を見ると、予告編を見て期待した通りの頭脳戦心理バトル展開になってない。エピソードが唐突で短く違和感。自分は「かぐや様」をこの映画しか見ていないけど、もっとめちゃくちゃにしてもよかったかもしれない。
PS. この映画を見た後でアニメ版の第1話を見たのだが、アニメのほうがもっと自分と合ってなかったw
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