アリストパネース「女の平和」を読む。紀元前411年に上演されたギリシャ喜劇。
これも高津春繁訳昭和26年岩波文庫版で読む。
アテナイの美しい婦人リューシストラテーはアクロポリスの城門のあたりでカロニーケーと世間話。するとそこにミュリネー、ラムピトーがやってくる。リューシストラテーに大事な話があると呼び出された。なんと和平のためのアクロポリス籠城。
紀元前5世紀、アテネとスパルタの両陣営が戦争中。夫たちも出征中。驚くべきことに古代ギリシャの夫人たちの会話が日本語で書かれているとほぼ太平洋戦争中の主婦同士の会話と同じように響く。
江戸古典落語のノリ。対話にテンポと軽妙さがあってドタバタ感があってよいのだが、古代ギリシャ感がまるでない。
言葉もセンスも古い。「南無三、八幡大菩薩!」
スパルタから和議のためにやってきた使者が「おいどんは使者でごわす」とか、なぜに薩摩弁? そこは巻末のあとがきで訳者が弁明。
この戯曲、岩波文庫の表紙に書いてるあらすじから、「女たちのセックス・ストライキが戦争を止める!」みたいな推測をしてる人が多い。だが、あんまりこの戯曲を正しく説明していない気がする。たしかにまあシモネタだけど。
正直この台本を読んだだけでは面白いものが想像できなかった。
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