THE BLACK DOG MYSTERY by Ellery Queen, Jr. 1941エラリー・クイーン・ジュニア名義で1941年に発表されたジュブナイルミステリー「黒い犬の秘密」の2017年中村佐千江新訳による児童向け書籍。
ハヤカワ・ミステリ文庫版がながらく廃版で入手困難なので、児童書とはいえこの文庫の価値は高い。たぶん大人も読んでいる。
つばさ文庫の前作「幽霊屋敷と消えたオウム」が1944年発表の「緑色のカメの秘密」。新訳が出版順になっていないけど、新訳を企画してくれただけで十分にありがたいし、これがなければ一生読まなかったかもしれない。角川さんに感謝だ。
エデンボロ村のアニーおばさんの家で暮らす少年ジュナが主人公。この子が聡明で正義感があり頭が良い。スコッチテリア犬のチャンプはすでにいる。
親友トミーとバス釣りに出かけようと思って釣り針を買おうと思ったら小さな村の商店にはない。それで村から5キロ離れたクリントンの街へ出かける。そこで銀行強盗事件に遭遇。自分もチャンプももう少しで銃で撃たれるという危ない目に遭う。
たまたまそこにいて犯人に襲い掛かった正義の老犬が撃ち殺され怒りに燃えるジュナ。直前に車に乗った人相の悪い男から、カナダへ行く道を尋ねられていた。あいつらが銀行強盗だ。
ジュナは傲慢で無能な警察署長に伝えた。すぐさま犯人たちを追いかけたのだが行方をくらませた。犯人の車は何処へ消えた?ジュナは友人から自転車を借りて捜査を始める。
大工のブーツ爺さんが最近元気がない。セッドとモリソンというふたりの男たちが不審な行動。モリソンは釣りが趣味のはずなのにボートの扱いに慣れてない。ブーツさんの盗まれたペンキが森の中で発見。などなど、ジュナは発見し記憶に留め考える。
やがて、ジュナは銀行強盗一味に捕らえられ、地下室の柱に縛り付けられる。そして、池の水が引き入れられ大ピンチ!
この「黒い犬」は「緑のカメ」ほどには謎解き要素がなくて、正直やや面白さで劣っていたように思う。だが、アメリカ東海岸の田舎村(電話があるのは1軒だけ)の暮らしぶりがイメージできてそれなりに楽しかった。
0 件のコメント:
コメントを投稿