2019年12月6日金曜日

竹宮恵子「吾妻鏡」(1996)

竹宮恵子 マンガ日本の古典「吾妻鏡」(中央公論社)上中下巻を読んだ。
以前から吾妻鏡を読まないと鎌倉の歴史はわからないと思っていた。ずっと適当な本を探していた。吉村昭「平家物語」を読んだ後に、この竹宮恵子版吾妻鏡と出会った。

竹宮恵子センセイも「吾妻鏡」を劇画にすることにはかなり困難を感じた様子。だが、このイラストタッチはとても自分と合っていたし、何より、頼朝から実朝までの源家三代と政子、北条執権、承久の乱までの、知らなかった歴史をしっかり学べた。

関東地方の各地を訪れるとそこには鎌倉武士たちの痕跡を見ることがある。名前しか知らなかった人物たちがマンガだとイキイキとイメージできる。
鎌倉武士の鑑と言われた畠山重忠が初登場シーンからすっごく少女マンガ的ハンサムで笑った。小山朝光、源義経、木曽義仲、後鳥羽上皇もハンサム。

源実朝もおねえさんたちの胸をキュンキュンさせる小鹿みたいな存在。公暁と駒若のBL要素が突然出て来たときは笑った。
一方で、梶原景時、大江広元、北条時政、義時は悪人顔w

頼朝の旗揚げから共に戦い幕府を盛り立てた坂東武者たち。北条時政、上総広常、千葉常胤、和田義盛、比企能員、三浦義澄、佐原義連、……あまりに登場人物が多くて覚えられない。
この本は日本史学習参考書としてもとても有益だと感じた。ひろくオススメしたい。

だが、やはり源頼朝は冷血政治マシーンすぎて好きになれない。多すぎる命が頼朝の野心のために殺された。
ひたすら武家の争い。味方かと思えば敵。謀略と裏切りの政争と戦乱。「平家物語」もそうだったのだが、吾妻鏡も殺伐としすぎてて、それほど楽しいものでもない。

頼朝と政子の物語はNHK大河「草燃える」ぐらいしかない。老獪な政治家と単純バカしか出てこないので、なかなか現代人の胸に訴えかけるドラマにするのは難しいかもしれない。
北条政子はおれのまさみしかできないなと思った。政子は日本の歴史上最強の女性だったかもしれない。

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