2019年8月5日月曜日

ABC殺人事件(2018)

ここ数年の間にアガサ・クリスティーをたくさん読んだ。だが、映像作品を自分はフィニー版「オリエント急行殺人事件」とP.ユスティノフ版「ナイル殺人事件」しか見てない。一番よく見られていると思われるスーシェ版BBCドラマをまだ一度も見たことない。

たまには映像作品も見ておかないと本を読んでいても映像がまったくイメージできない。
で、今度やったら見ようかな?と思ってたらジョン・マルコヴィッチがポアロを演じた最新作「ABC殺人事件」がBSプレミアムで7月に放送されたので見た。

自分、中学生のときABC殺人事件を読んだのだが、内容をほとんど覚えていない。あまり面白かったという記憶がない。だが、ABC順見立て殺人と隠された狙いの存在いう構造だけは覚えている。
そろそろ読み返そうと思ってハヤカワミステリ文庫を探しているのだがなかなか発見できてない。
ジョン・マルコヴィッチの老人ポアロがイメージと違う。ポアロは髪と髭が黒々としたずんぐり卵型おしゃれ小男。マルコヴィッチはすらっとでかい。

このポアロがファシズムが高まる英国において哀しい外国人の老人。長年一緒に闘ってきたジャップ警部が、引退して庭仕事を始めた矢先に倒れて亡くなってしまうという、ショックな展開。ポアロひとりぼっち。

しかも、新任のクローム警部(ルパート・グリント)が外国人にとても冷たいイジワル野郎。蔑みの目でポアロを見る。こいつが見た目も言う事もすべて嫌。
この時代は鉄道の車掌でさえ外国人を公然と侮辱。これと比べると今の日本のヘイトとかぜんぜん問題レベルにない。

え、犯人らしい青年が最初から提示されてる?この青年も公然と差別に遭う外国人。英国女がガサツで無神経でアバズレだらけ。そりゃあ殺されるっていう。
自分、ドラマ版のポアロを見たのが初めてだったのだが、やたらとグロテスクなものに焦点を当てたような映像だった。悪魔祓いの傷口ヒール踏みとか、おっさんのキモい首とか、ゲロ吐いてる様子だとか。そんなん要らない。

全3話の第3話真ん中あたりで真犯人を思い出した。高良健吾みたいなセールスマンABCはクリスティによくあるミスリードだけど、こんなてんかん発作みたいな設定だったの?ぜんぜん思い出せない。
それに、ポアロの第1次大戦の記憶。あれはドイツ兵?なぜ教会に火を?ユダヤの村だったとか?

ラストでなんでふたりで朝食を?って思ったら、もう教誨師とかそんな段階?
英国のユーモア要素ゼロのダークなクリスティだった。あまり面白くはなかったのでもう見ない。見返さない。

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