THE SONG OF DISTANT EARTH by Arthur C. Clarke 1986著者による前書きによれば、これは初期の短編集「天の向こう側」収録作からの改作らしい。
ニュートリノ観測によって太陽の寿命を知ってしまった地球人類の未来。
40世代ほど先のこととはいっても、移住先を探すとか、恒星間旅行宇宙船の開発とか、コールドスリープとか、そういった技術をすこしずつものにしていかないといけない。
人間が宇宙船に乗り込んで他の恒星へ旅行するよりも、人類の遺伝情報データだけを自動播種船に乗せて、植民地となる星々に送り込むことが現実的。
で、青い海の惑星サラッサでは、人類が数世代を経て、自由な理想郷を築いていた。
そして太陽系の最期を見届けてから出発した人類が、数百年の長い航海の末にようやくたどり着く。人類の子孫と遅れて来た人類のファーストコンタクトを描いたのが「遥かなる地球の歌」。
クラークは光の速度を超える恒星間旅行に否定的。量子駆動?量子ラムジェットのことか?さらなる航海のためになぜか氷の塊が必要。
人類はいつか膨大な情報と書物の扱いに困って押しつぶされて行くかもしれないって箇所は、自分の部屋の膨大な本雑誌CDを見て同じことを想った。いつか放棄されるしかない。
クラークの集大成ともいえる作品。詩的で哲学的。その壮大な想像力に圧倒される。自分の想像力ではうまくイメージできないこともあるけど、広く読まれるべき作品。
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