THE NEW ADVENTURE OF ELLERY QUEEN by Ellery Queen 19359本の短編から成る一冊。では順に読んでいく。
「神の灯」これは125Pなので中編と言えるかもしれない。この作品がエラリー読者の間でとても評判がいい。いつも論理パズルばっかりのエラリーにしては大ネタ。それ自体はいろんな作品で既視感があったのだが、これがオリジナル?
エラリーの着眼点が鋭い。話がまとまっててクオリティが高い。
「宝捜しの冒険」36Pの短編。将軍の家に招待されたエラリー。真珠の首飾り盗難事件、そして犯人との駆け引き。これも訳が古すぎる。brassieres(乳押さえ)には笑った。
「がらんどう竜の冒険」41P短編。なんと日本人古物商老人の失踪事件。竜の彫刻ドアストップが盗まれたことからロジックで謎を解き明かす鮮やかなエラリー。
「暗黒の家の冒険」41P短編。ジューナくんとエラリーくん、暑い最中にふたりでニューヨーク遊園地へ行く。お化け屋敷で死体発見…。屋敷から出たものが誰もいない以上、この中に犯人がいる!
「血をふく肖像画の冒険」40P短編。血をふく貴族の肖像画と、島で起こった傷害事件の顛末。事件の真相自体は単純でどうってことない。
「人間が犬をかむ」29P短編。ワールドシリーズ殺人事件。エラリーくんもクイーン警視もヴェリー部長も野球狂だとは知らなかった。5万人スタジアムのスタンド席でフランクフルトを頬張っていた元選手が卒倒。痴情のもつれで毒殺?おなじみの面々が試合経過を気にしつつ事件の真相をつきとめる。
「大穴」33Pの短編。出走直前に起こった競走馬狙撃事件の意外な真相。エラリーくんは競馬に関してはまったく知識がないらしい。
「正気にかえる」38Pの短編。八百長ボクシング試合後に前チャンプが刺殺された事件。血の付いたコートのロジックがとてもエラリーらしい。
「トロイヤの馬」35P短編。ローズボウルでの宝石盗難事件。エラリーが宝石の隠し場所を消去法ロジックで鮮やかに解く。アメリカ人のアメフトへの熱狂ぶりがいまだによく理解できない。
「新冒険」よりも「冒険」のほうが面白かった気がした。
「人間が犬をかむ」以後の4編はミス・パリスが登場。
「暗黒の家の冒険」はエラリー・クイーンの長編作をギュッと圧縮コンパクト化したような作風。言い換えると、この作品をだらだらと引き延ばしたのがEQの作風w
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