吉田篤弘「台所のラジオ」(2016)の2017年ハルキ文庫版がそこにあったのでめくってみた。友人の本棚から借りて。
いろいろな年代の男女目線によるエッセイのようで、とくにストーリーと言えるようなものはない12本の連作短編小説集。
読み進めるうちにそれぞれの主人公は同じ町に住んでいるようだと気づく。それぞれがラジオをそれほど集中しないで聴いている。そして街の小さな飲食店にこだわりを持っている。
読んでるうちにどんどん話の筋を忘れていく。もう数ページ前を覚えていない。
さらさらとページをめくれる薄味な本。何も事件が起こらずさっささっさと読み飛ばした。
ときどき人生哲学のようなものが垣間見える。味わいがあるようにも思えるし、まったく何も後味を感じなかったりもする。人に伝えたくなる教えたくなるような内容はまるでない。感想を語るのにも困る。
自分は読んでいて小さな飲食店の寿命サイクルの短さと儚さのようなものを感じた。
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