2018年3月30日金曜日

広瀬すず「チア☆ダン」(2017)

昨年3月に公開されていた広瀬すず主演映画「チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」をやっと見る。

これは福井県が舞台の映画らしい。広瀬すず他キャストはみなおっとり関西イントネーションでしゃべるギャル。「応援するで~」

チアもマイナー競技といえるかもしれない。マイナー競技に青春を捧げる映画ということは「ちはやふる」と同じタイプの感動を得られそうだと期待する。
だが、中高生向け映画なのか?なんだか軽い印象。音楽の使い方が安い。

新入生すずたちのチアダン入部動機が軽い。あまり理由がない。そこ、あまり面白くない。この映画も真剣佑が出てるのかよ!うっかりしてると「ちはやふる」と見分けられない。すずのアイラインが濃いのでさらにカワイイ。
部活指導に異常な執念を燃やす天海祐希が登場シーンから恐ろしいのだが、人としては別に怖くなかった。
ギャル上級生たちがそろって辞めてしまうのは都合のいい展開ではないか。
おでこを出すのを嫌がり前髪にこだわるとかチアあるあるなのかもしれない。知らないけど。
チアダンスとチアリーディングは違うということをこの映画から学んだ。

広瀬すずが絶妙に軽いバカ感をビシッとした精度で演じていて感心する。
その一方でSEVENTEENメイトの中条あやみが生真面目美少女優等生をキッチリ演じていてやっぱり感心する。中条はこの役を演じたことで初めてこの年の日本アカデミー賞に新人俳優賞として呼ばれた。

「アシガール」の若君様こと健太郎が中条に告白してフラれるカン違いメガネ役で出てた。3回目には「他にすることないんですか?!」ってののしられてて、ちょっと胸がキュンとしたw
先生にひとりひとり順番にダンスを見せるシーンは各キャラ紹介の重要なシーン。すずの突っ込みコメントが視聴者のコメントそのもの。ここがコント臭が酷い。昭和おじさんセンスが出てしまった。

福原遥のアイドルダンスが萌えカワイイ。メガネツインテール美少女キャラ。自分、この子の演技を初めて見た。
富田望生って「あさひなぐ」にも出てた激しく動けるデブのスペシャリストだな。この子は広瀬すずと乃木坂と日本を代表する美少女たちを引き立ててる。

中条とのお昼休み「あたし辞めるわ」シーンを見てもやっぱり広瀬すずの役者としての技量は確か。
真剣佑が中条を褒めるシーンですずが怒るシーンがかわいいのだが、その直後の呆けた表情もコントならいいけど映画としていただけない。

ユニコスチュームを初めて見てはしゃぐシーンが唐突で短くて「え?」って思った。関西の笑いは瞬発力勝負っぽい。「で?」って考えてはいけないっぽい。
映画上の演出とはいえステージ上での酷い失敗を客がギャハハと笑うとか、ちょっと考えられない。

ブルーハーツ「リンダリンダ」に乗せて、すず「イケてるとかぁイケてないとかぁ関係ないがぁそんなの!」はうっかり名言っぽい。だが、関西ノリの笑いには余韻というものがない。
たった1回の大会で挫折しバラバラになったメンバーが再結集するエピソードにも小さな笑いをぶっこむ。デブの家に行くと母親がケータイで荒ぶってるw

60分を過ぎると練習風景がまるでかつてのSKE48のように殺伐としていく。じゃないと全米大会には出られない。
ヒロインすずは膝の怪我で離脱。裏方としてチームを励ますのだが、鬼コーチ天海から「そういうのいらない」と言われる。え、何それ?
全米大会の予選と決勝で中条と広瀬がセンター交代とかまるで乃木坂。
天海演じるコーチが人間としてあまり深みが感じられない。素人たちを3年で全米制覇に導いたという偉業を達成した何か特別さが見えてこない。ただドライだっただけ?芝居がかってむしろユニークな松岡修造型コーチング先生。
「じつはこんなことしてました」と見えていなかった部分を後から暑苦しく見せる。「女王の教室」と同じことやってた。

やはり広瀬すずはすごかった。すずが出てさえいれば画がもつ。広瀬すずという一流の素材にしては上品さがない軽い映画だったけど、テンポよく期待したものの8割は達成されている。たぶん「フラガール」みたいに多くの世代で楽しめる。「ちはやふる」「四月は君の嘘」並みにもっと見られてもよい作品。

あと、「数年後…」というパターンがTBSのつくるドラマにやたらと多い。あれは蛇足。中条あやみのCA姿は異常に美しかったけど。

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