2018年2月9日金曜日

芦原すなお「雪のマズルカ」(2000)

芦原すなお「雪のマズルカ」(2005 創元推理文庫)を読んだ。どんな本なのかもわからなかったのだが、カンで面白そうだと購入。100円。

自分、芦原すなおという作家をまったく知らなかった。調べてみたら直木賞も受賞してるベテラン作家。

私立探偵だった夫が事故(不審死?)で亡くなって、絶望の末に探偵事務所を継いだ妻による探偵稼業の日々という短編4本。日本で女性の私立探偵ものはめずらしい。

これが予想以上にハードボイルドで驚いた。
ドラマや映画で拳銃を頭に突きつけるシーンはよくあるけど、この女探偵は躊躇なく引き金を引く。

この作家の書く文体が名前の通りすなおで無駄がなくスッキリしていてとても読みやすい。カギカッコで実際に話してる言葉、それ以外は心の声とつっこみ。わかりやすい。

どんな面白い本でも自分とは相いれない冗長な台詞とかあったりするものだが、この本にはそんな雑味が一切なかった。この作家、自分ととても合ってる。高校生でもすらすら読めると思う。それでいて味わい深い。広くオススメする。

ヒロインは自分を利用しハメて窮地に落とした奴らを許さない。今の日本の若者たちも見習いたい。

あと、ヒロインが41歳ということにも驚いたし意外に感じた。だからここまでハードボイルドなのか。
読書中ずっと誰が配役として適任か考えてた。ちょっと前なら原田美枝子か真矢みきだろうな。今この年台なら…米倉涼子とか内田有紀とか観月ありさとか矢田亜希子とか松たか子とかいなくもないけど、どれもイメージと違う。

そこでまだちょっと若いけどまさみですよ。まさみはたぶん38歳ぐらいの役もできると思うから。それに体も鍛えてるし。

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