2017年10月3日火曜日

アガサ・クリスティー「二人で探偵を」(1929)

アガサ・クリスティー「二人で探偵を」(1929)の一ノ瀬直二訳(創元推理文庫1972年版の1981年第31刷)がそこにあったので連れ帰った。100円でゲット。

原題は「Partners in Crime」というのだが、ハヤカワ・ミステリ文庫では「おしどり探偵」というタイトルになっている。
ちなみに、ハヤカワではクリスティーだが、創元推理文庫ではクリスチィ、新潮文庫ではクリスティと表記されることになってるらしい。

これ、なんの予備知識もなく読み始めたのだが、主人公は名探偵ポワロでもなくミス・マープルでもなく、トミー&タペンスベレスフォード夫妻
「国際秘密探偵社」に持ち込まれる難事件、怪事件の謎をふたりが協力して解く。

クリスティはベレスフォード夫妻ものを生涯で5作書いているらしい。「秘密組織」という作品にベレスフォード夫妻が初登場してる。できることなら順番に読みたいところだが、自分のように古本で見つけた本を読み漁るタイプだとそうもいかない。

17本の短編から構成されている。驚いた。どれも短い。
自分は短編作品を好むけど、短編は展開が速いので、ちょっと油断して読み飛ばすともう何がなんだかわからないw
なんか、30分で2本立てドラマぐらいのボリュームの作品が多い。

しかも、この作品は探偵小説オタ、スパイ小説オタでもあったアガサ・クリスティー女史によるパロディ的ラノベのような作品?
シャーロック・ホームズ、ブラウン神父、フレンチ警部、その他もろもろ。そして灰色の脳細胞。この時代のミステリーに精通してないと何のパロディなのかまったくわからないけどw

ぶっちゃけ「婚約者失踪の謎」「破れないアリバイなんて」はクソオチw その他はちょっとしたスパイスリラー的要素の都合のいい展開。
英国は今もロシアと外交関係は悪いけど、1920年代からソ連は敵国。ロシア人は粗暴なスパイ。

これ、面白い!活字で追ってるとトミー&タペンスが鋭いカンを持ちつつもすっとぼけてる。ボケ倒し天然カップルのようにも思えてくる。これが英国人のユーモアか?

読んでる最中ずっとタペンスの台詞を自分は長澤まさみで脳内再生していた。ベレスフォード夫妻は30歳前後らしいし、まさみのキャラにもぴったり。誰か偉い人、まさみでドラマ化を企画してくれないか。クロマキー撮影で背景はCGでもいい気がする。

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