越前敏弥&国弘喜美代 訳による2013年角川文庫版の初版。
定価は781円だが、いつものようにBOで古本として購入。460円の値札が付いていたのだが、たまたまその店に入ると文庫本200円均一セールだった。おぉ、ラッキーと思ったけど、200円で買いたい本はこれ1冊しかなかった。
今現在、街の本屋さんでエラリー・クイーンの文庫を買おうとすると、たいていこのイラスト表紙の角川文庫版っぽい。エラリーくんが若くてイケメン。たぶんこういうイラスト表紙のほうが売れるんだろうな。だが、手前にいる男の子は誰だ?
ジューナと呼ばれる少年小間使いらしい。前2作にも登場してるらしい。自分、国名シリーズを初めて読むので知らなかった。巻末解説によれば「訳者のプッシュもあって表紙に抜擢」とのこと。
443ページの長編作なのだが2日で読んだ。さすが最新の訳は読みやすいw それに、面白かった!ページがサクサクめくれる。
ニューヨークのオランダ記念病院の手術室で、病院の創設者である大富豪の老婆が絞殺された事件。容疑者の外科部長も同じ方法で殺害される連続殺人事件。
超有能探偵エラリーくんがキッチリカッチリ論理で「こいつしかいない」と意外な犯人を指名する。
「オランダ靴」はエラリーの国名シリーズでもかなり高評価の作品。真犯人は十分に意外性があるし、「読者への挑戦状」として最もフェアな1冊らしい。
ぶっちゃけると、1930年ごろのニューヨークの大病院のイメージがあんまりできない。あと、事件の重要な物的証拠である靴と靴紐がよくイメージできない。え、靴紐が切れる?どんな履き方したんだ?
それに、「切れた靴紐を医療用テープで修理」ってのもよくイメージできずに困った。そもそも手術着のズック靴に靴紐って必要?
それ以外は十分に古典ミステリーの傑作であることが納得できた。今のところ自分的に「Yの悲劇」と並ぶ傑作。
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