2010年4月にフジテレビ開局50年特別企画ドラマとして放送された「わが家の歴史」をやっと見通した。ぶっちゃけ、長澤まさみが出ているので見た。まさみが出てなければ見ていない。
前から見ようと思っていたのだが、なかなか手を出せなかった。パソコンで作業しながらそれほど集中しないで流して見た。
三谷幸喜脚本で三谷幸喜ドラマファミリー総出演、2時間半、2時間半、3時間という3夜連続の大長編大河ドラマ。3日かけて見通した。長すぎた。まるで朝ドラ全話をイッキに見通した感覚。
戦前・戦中・戦後をたくましく生き抜いた八女家の家族の物語。第3夜ラストの運動会の1点に向かって収束していくクロード・ルルーシュ監督の「愛と哀しみのボレロ」型大長編ドラマ。
歴史に何も名前を残さなかった市井の人々が、いろんなことがあったし、みんな懸命に生きたよね…ってドラマ。
出演者の多くが上海までロケに行ってる。終戦直後の風景はもう上海でしか撮れない。
実質ヒロインは柴咲コウ。終戦後の混乱期、たよりにならない父(西田敏行)と母(富司純子)に代わって家族を支えるために夜の中州でホステスの仕事を開始。そこで夜の博多の王とでもいうようなクラブ経営者・佐藤浩市に見初められる。このふたりの出会いのシーンが三谷幸喜らしくて面白い。
まあ、家族全員のエピソードをてんこ盛りにして、戦後の事件、スターたちをかたっぱしから登場させて昭和をなつかしむドラマ。脱線しまくり。
行きずりの通りかかった人々が「のちの長谷川町子である」「のちの村田英雄である」「のちの高倉健である」という、昭和のスターをつぎつぎに登場させて放置していく。こういうのたまに出てくるなら効果的かもしれないけど、連発しすぎ。
力道山、美空ひばり、手塚治虫、遠藤周作、古川ロッパ、エノケン、膨大な登場人物たちが流れるように現れる。八女家の周囲で昭和史のすべてが起こっていた!w
まさみはヒロインの親友。家族外の人なので脇役。
自分はまさみが柴咲コウと共演し、しかもタメ口で話してるシーンを初めて見てびっくりした。あの「セカチュー」以来の共演だったはず。
以前、是枝監督の「奇跡」という映画を見たとき、まさみが九州女を演じるのは初めて?って思ったけど、この三谷ドラマですでに演じていた。
まさみにとってこのドラマが脚本家・三谷幸喜との出会い。後に「紫式部ダイアリー」へとつながる。
まさみは九州の鉄鋼会社の重役の娘で深窓の令嬢。
だが、いきなり「わたし、東京の大学受けるわ」と、ヒロインの元からいなくなるのだが、病弱で優秀だったヒロインの弟・松本潤が東京大学へ進学するとそこで再開。なんと、まさみは東大生だった。
え?この当時のお嬢様は勉強がよほどできても東大には入らないんじゃ?それにこの時代の大学生ってもれなく牛乳瓶の底と呼ばれるようなメガネかけてるだろ。
松本潤の姉(柴咲コウ)が正式の結婚をしておらず、水商売の帝王の愛人という事実を調査しておいて、ふたりの交際に反対するほどの保守的で厳格な九州の父親なら女子大に入れるのでは?世間知らずの娘をマルクス主義とかに触れさせたくないだろう。
やがて全学連にかかわってしまう。ロシア民謡とかを集会とかで唄うようになる。男子学生から「姫!」とか呼ばれてる。
左翼学生たちの劇団での「桃太郎」にブチ切れて辞めるシーンが面白かった。「主役やらせてくれるって言ったじゃないですか!」
最初、まさみがあまりに声を作っていて可笑しかったのだが、東大生でお嬢様というキャラを演じていたんだな。後半の役との対比が必要。
函館で見合いをさせられる。そこに松潤が登場し、ふたりは駆け落ち。そして洞爺丸に乗り合わせてしまう。
乗客のほとんどが助からなかった日本史上最悪の海難事故により、まさみ行方不明。ふたりは行き別れ。
だが、まさみは漁師に助けられていた。東京に戻ると両親も死に家も他人の手に渡っていた。赤線地帯で娼婦として生きていた。あまりにギャップの大きい転落。まさに流転の人生。
まさみだけが登場人物たちの中で玉山と並んでどん底に不幸。
そして永井荷風先生(石坂浩二)お気に入りの浅草ストリップ嬢・ナターシャとして柴咲と松潤に再発見される。まさみのストリップシーンは今でもまさみオタたちの記憶に新しい。このドラマをみていれば、のちにミュージカル「キャバレー」も予見できなくもない。
それにしてもまさみは夜の女の役が似合う。本当の美人はまさみだけ。他の女優たちすべてに勝ってる。タバコシーンがバッチリ決まってる。
このドラマを見るまで石坂浩二と共演があったって知らなかった。洞口依子ともワンシーンのみ共演。
ほとんどすべてのキャストが過去に未来にまさみと共演をしている主演クラスの豪華俳優たち。まあ、次から次へと意外なキャストが登場するので飽きずに見れるかもしれない。それでも長すぎて見通すのに数日かかる。
堀北真希が「3丁目の夕日」「梅ちゃん先生」と変わらない雰囲気でそこにいた。変人作家志望男(山本)と夫婦共演していて驚いた。このふたりが出会ってさえいなければ…。不愉快になる人には早送り再生をオススメする。
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