関裕二「壬申の乱の謎 古代史最大の争乱の真相」(2003)という本を読んだ。電車の中で読む用に108円で購入。
壬申の乱って小学校中学校以来ほとんど耳にすることがない日本史ワード。古代史ってよくわかっていないことが多いのに子供に教えようがないよね。
この本も他の関裕二本と同じで前半半分は「大化の改新」のおさらい。中大兄皇子と中臣鎌足の正体と、7世紀の朝鮮半島情勢のおさらい。壬申の乱の戦闘そのものはほとんど書かれていない。ああ、それほど得るものはないな…と予感。
だが、後半になると大海人皇子(天武天皇)側の勝利を決定づけた尾張氏の謎に迫る。尾張氏のことは今まで自分はほとんど考えたことがなかったので新鮮だった。
最終章「大海人皇子の正体」が衝撃的だった。
古代史にある程度興味を持っている人はどこかで一度は「天智・天武年齢逆転説」という論争に出会ってるはず。中世になって成立した「本朝皇胤紹運録」天武天皇没年齢65歳説から起こる謎と疑問。自分はあんまりこの説には詳しくなかった。
主に「作家」と呼ばれる側からの主張には史学会側からの反発があったって知った。
平安時代に書かれた上宮聖徳法王帝説が天武の年齢にこだわりすぎてる?!
山背大兄王とその一族は蘇我入鹿を悪者にするために創作された架空の存在?!
蘇我と物部の戦争も存在しなかった?物部守屋は物部氏の本流じゃない?
乙巳の変クーデターで蘇我氏はべつに滅んでいない?
持統天皇は天武朝と見せかけて天智朝へのすりかえ?
この辺はとてもややこしいので集中して読まないとわけがわからなくなっていく。
大海人皇子は蘇我氏総本家そのもの…って結論にはびっくり。習ったのとぜんぜん違うじゃん!
蘇我の祖先は朝鮮半島から来たんじゃなかったの?出雲から来たってマジ?!
持統新王朝成立の過程と構図がそのまま天照と日本神話になっている? すべては自分の父を正当化する藤原不比等の思うがまま…。それが日本書紀w 日本の正史はフィクションで嘘っぱちw
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