ヴァン・ダインの「グリーン家殺人事件」(1928)を読む。海外ミステリの古典中の古典だから読んでおいて「読んだ」っていいたいw
自分が今回手に入れたものは延原謙訳の昭和34年新潮文庫版の昭和56年第11刷という古いもの。260円だった。
この作品はエラリイ・クイーンの「Yの悲劇」に影響を与えたといわれている。なるほど、グリーン家とハッター家の雰囲気は似ている。開かずの書斎の犯罪学蔵書とか、暗闇で犯人に手が触れたとか…。
犯人はあんまり意外性がなかった。てか、絞り込めてたw
予想に反してヴァンス探偵がなかなか真相に迫れない。ヴァンスの歴史美術史うんちく披露には判事と同じように自分も「こら!」って思うわw 長い!
面白かったか? うーん、期待したほどでなかったかも。
でも、これを読んだおかげで、「グリーン家」がなければ「Yの悲劇」は誕生してなかっただろうことがわかった。「Yの悲劇」の価値が自分としてはやや下がったが、それでも「Yの悲劇」の方が面白い。
S・S・ヴァン・ダインは匿名作家として登場し、「一人の作家は生涯6冊以上の優れたミステリは書けない」と言い切っていたそうです。(結局11冊、死後にもう1冊出たけど)
返信削除そして6冊目の「ケンネル殺人事件」以降は、見事に持論を証明する結果になっています。
最高傑作は「僧正」でしょう。「グリーン家」は「でっかい館で起こる殺人事件」のルーツとして偉大だとは思いますが、ファイロ・ヴァンスが間抜けに見えていけない。
6冊の中では「ケンネル」や「かぶと虫」も好き。
私はS・S・ヴァン・ダインの顔がいかにもファイロ・ヴァンスなのが気に入っています。ミステリ作家にしては実にキザないい顔していると思います。
これからはヴァン・ダインはほとんど見かけないので優先順位を下げて、カーかクイーンねらいでいこうかと思います。
返信削除ヴァン・ダインの顔を見てきましたが、たしかにイメージと遠くなかった。