事前になんの予備知識もなく見始めたのだが、画面に出てくる文物から判断して1980年前後?と推測していた。中沢けいが1978年、当時18歳で発表した小説が原作。中沢けいって、高山一実と同じ安房高校出身なんだな。
カップルが動物園デートしてる風景。やがてどしゃぶりの雨。ずぶぬれの男女がアパートで全裸になってる…というのがDVDのジャケットになってるカット。
高校の新聞部室で、「女の子のカラダに興味がある」というスカした男・池松壮亮の求めるままに、「正直なのね」「昔から好きでした」とカラダを許す女子高生・市川由衣。
R15+ということで想像はできてたけど、開始30分はひたすら性愛シーン。原作は官能小説か?なんだか日活ロマン・ポルノを見てるような雰囲気。見たことないけどw
ヒロイン市川由衣はゼロ年代に多くのドラマなんかに出演したグラビアアイドル。
この映画、ぜんぜん話題になったって聞かなかったけど、アイドル市川由衣がヌードになってるってことだけが話題になったみたいだ。
市川は2015年に演出家俳優と結婚したそうだが、30歳を目前に女優としてやれるだけのことはやっておこうって意気込みだったんだろうな。
それほど人気女優にならなかったな…。まさみ主演の「ラフ」で恋のライバル役で出演していたことと、ホラー映画「サイレン」ぐらいしか認識してない。
池松壮亮もまさみのカルピスCMで出てた中学生だったのに、今じゃすっかり日本映画界で欠かせない俳優。
この映画では超絶ローテンションの冷血男を演じた。カラダだけは求めるけど、そこに気持ちは何もない。ヒロイン目線で進む映画なので、見る者すべてがこの男に嫌悪感。
東京の男のアパートを訪問するヒロイン。「そこに座れよ」、やっぱりカラダの関係を繰り返す。ベッドに座ってる市川が欅坂の長沢に見えて心が痛んだw
母親の来ている女のアパートにやってきた男。包丁持ったヒロインに「帰って!」と懇願される。その包丁でそのまま母持参の魚をさばく。なんか、このシーンが何かを暗示してる?って気になった。たぶん深読みしすぎだったw
ヒロインの部屋に「1日だけ泊めて」とやってきたバイトの後輩。酒飲みながら、「男に大切にされるってどういうこと?」と議論。たぶんそれがテーマの映画。
安藤監督らしいまったくBGM音楽がないカメラ1台長回しカットが延々と続く。ずっと息苦しい。
セリフ聴きづらい。説明が少なくてよく飲み込めない。
ヒロインが女子高生だったり受験の大切な時期だったり、酒飲んでタバコ吸ってたり数年間に渡る時間軸を行ったり来たりなんだろうけど、ここ、本当に分かりづらくて混乱した。
ヒロインの母親とのシーンが特に苦痛すぎたw 娘が男に書いた手紙を盗み見。「男の欲求を満たすだけの存在でいい」という箇所を娘に声に出して読ませる。「ああ、いやらしい!汚らしい!」「今まで苦労して育てた努力が台無し!」と激しく口汚くののしる。このシーンが地獄!w
この映画、10代の女の子には見せたくない。年頃の娘を持つ親の世代も見ないほうがいいw 30代以上の男性しか見ない映画だったかも。
一緒に住むようになっても何も楽しそうじゃない男と女。女はやがて行きずりのサラリーマン男と関係を持つようになって、池松との関係が完全破綻。そしてラストを迎える。
地元へ戻って海を眺めるヒロイン。何か成長して強くなったってラストらしいけど、そのへんはあんまりよく分からない。市川の独り酒シーンは絵になるなって思った。
面白かったか?辛かったw 日本映画らしい暗い日本映画。
青春時代に市川が好きだったという男が見るべき1本だが、それはキツイ。俺のまさみにもこんな映画のオファーってあったりするのかな?
こんばんは。
返信削除様々な評価のある映画ですね。
安藤尋カントクの「blue」という映画が好き。
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