2015年12月10日木曜日

桐島、部活やめるってよ(2012) 2回目

「桐島、部活やめるってよ」が公開されてから3年、今でもこの映画は人々の心に強く残っているらしい。もう一度見てみる。

もう高校生たちの会話に関心ない。だが、この映画は高校生たちの会話こそがキモ。そこから浮かび上がる何か、ザワザワした感じ、さざなみがうねりになっていく様子、ひとりひとりのドラマに注意して観てみたい。

前回はただひたすら橋本愛と山本美月の美しさを讃えるためだけに観た。観た事にしてた。
その後、「あまちゃんフィーバー」もあって、この映画には東出昌大や松岡茉優も出ていたことを知った。そして自分は今、吉田大八という監督に関心が高まってる。

海街みてから女子が4人でいるのを見ると、どう撮れば構図として美しいかな?といつも考えるようになってしまっている。この映画は東出とかバレー部の補欠とか、共感するキャラを見つけて楽しむ人が多いけど、自分はこの4人を見ることが楽しい。
高校って、だいたい学力が似通っていて住んでる地域が近い、ただそれだけの15~18歳の若者がなんとなくいる集合体。ぶっちゃけ全員が他人。ただ話を合わせていただけなのに内部でさらに階層ができる。そんなことを誰にでもどばーっと思い出させるのがこの映画の酷い作用。

主人公神木みたいな暗い映画オタは最下層にいるのが当然として描かれる。空気のように誰からも話しかけられない別の民族。そんなのおかしくない?という数少ない例外がカワイコちゃん橋本と、カッコイイ男No.2東出。このふたり、ちゃんと恋愛もやってるリア充。

ギャルJK松岡茉優の「バカじゃないの?」の言い方がすっごくムカつくw 「黙れ、ブス!」とまでは言わなかったが、この女にかなり強い拒否感を持っていた。「ここでキスして」の松岡には思わず悪態をついたわ。ガヤ芸人的で悪質。清水も橋本もハッキリ「オマエ、嫌い」って言ってやれよ。演技が自然すぎてかわいくない。今では松岡は子役時代から苦労して控えめの性格で才能があって面白くて色白でかわいらしいってよく知ってる。

橋本はひたすら端正。やっぱ美少女すぎるわ。このときはまだ体つきが華奢だったな。
山本、ゴージャスすぎて女子高生に見えない。

清水くるみはこれを見た当時知らなかった。「え?笑ってないよ」の少女。最近NHK「一番電車が走った」で見るまで忘れてた。

清水、なんと若手女優でNo.1のカメラ女子w フィルムカメラへのこだわりなら日本一かもしれん。高校ではカメラ部だったらしい。インスタグラムによれば愛器はCONTAX Aria 、Canon AE-1、LEICA minilux zoonというからガチ!w しかも中古カメラ店で友達になったというおじさんからEos55までもらうという…。すげえ、清水くるみ、すげえ。
しかも清水、映画「orange」の現場でフィルムカメラの魅力を啓蒙宣伝。清水のインスタで飯豊まりえがOLYMPUS エクリュという大変に個性的なカメラを愛用していることも知った。女優は他の女優を撮れていいな。

しかも清水、J-ROCK好きw 今年の夏にROCK IN JAPAN FESにも行ってる!きっと何もかも俺と話題があうわ。友達にならん?

仲がいいから4人一緒にいるのに「あ"?」とかいうなよ、山本。
東出昌大ってモデル俳優も当時は名前を知らなかった。でかい。後にどんどん有名になっていくとは予想できなかった。「アオハライド」と「桐島」でほとんど何も変わっていない。
高校生たちの中でこいつだけが何かに気づき始めてる。いつも遠くを見ている。

この映画で自分が最初に笑ったとこは金曜朝の全校集会での部活動報告の時間。1次選考を通った映画のタイトルが読み上げられるシーン。おいこら、女子生徒!そこぜったい笑っちゃダメだろ!

別にイジメにあってるわけでもない。ただ同じ高校生として絶対的で絶望な格差がある。体育の授業シーンとかリアルだわ~。「昨日、満島ひかりに会ったんだけど。夢で」って会話とか、読んでる雑誌が「映画秘宝」だったりとか、映画部のそこだけ光が当たってない感がすごいな。

映画館で「鉄男」見てたら後ろに橋本愛!のシーン。後に橋本がプライベートで新橋や新宿で成人映画にハマってくことを連想させて面白い。この神木と橋本のシーンが微笑ましくて好きだわ。
「タランティーノで何が好き?」「人がいっぱい死ぬやつ」「いやいやいや、どの映画もいっぱい死ぬよw」とか。
それと落合モトキと橋本のシーンを見たらムカつくヤツ多いと思うわ。いろんな意味で。
ロケ班VS.サックス女の場所争いも面白いわ。バレー特訓シーン、そのボールは誰も拾えないわ。
8mmカメラはちょっと興味あるけど1回も使ったことないわ。

映画は2回目に見るといろんなことが見えて面白い。やっぱこの映画すっごい面白い。映画部の顧問とかに「おい!」ってつっこんだりしながら酒を飲む。

この映画を説明するのは難しい。ただ、ザワザワする感じがラストに向けて何度も同じ場面を別角度からなぞって、綿密に計算されたように積み重なっていく構成がみごとすぎる。喜安浩平という演劇人と共同の脚本がよかったのかも。

そもそも学校内の全員が桐島を「キリシマ」って毎回ビシッと同じイントネーションで呼んでるのも実際ありえないなと感じた。自分なら自分だけの最悪なアダ名をつけて心の中で呼んでやる。爽やかクソ野郎キリシマとか。自分の高校時代はそうだった。

ぶっちゃけ桐島がどんなにスーパーマンだとしても、部活やめるとか自分はぜんぜん興味ないと思うので、そこの会話とかむしろムダに見えた。そんなんプロ野球選手の移籍程度の利害関係。自分は完全にこの映画の部外者。それ以外はぜんぶ面白いわ。

4 件のコメント:

  1. 映画部の二人は桐島には一切興味ないでしょうけどこの映画に内包されているんですから、ブロガーさんも部外者ではないんじゃないでしょうか?笑

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  2. そこがこの映画のすごいところだな(笑)

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  3. こんばんは。僕もこないだNHKのBSでやってたのを見ました。

    高校生たちの群像劇で、いなくなった桐島に振り回されていく人たちの様子とか、いろいろな角度で話が進められていて、すごいと思いましたが、いかんせん何が言いたいのかわからない映画でした。

    桐島は出てこずに、それに揺れる人々の群像劇が描きたかったのかな、と思いました。

    ただ、映画に登場するスクールカーストみたいな概念や状況って大っ嫌いです。
    理解力がなくて沸点の低い体育会系のやつとか、悪口言いまくる女子の集団とか見ていて嫌になります。
    あと、サックス吹いてる女の子も気持ちはわからんでもないですが、うっとおしかったですね。

    ですが、橋本愛のたたずまいが美少女過ぎて、見ててつらかったです(笑)
    どんな時も凛としてて、華奢な体つきに、ほかの生徒とは違う視点を持っていて、とても良かったです。
    特に、神木隆之介演じる映画少年に、食堂で声をかけて、
    「映画できたら見させてね」っていうシーンはとっても素敵でした。

    そう、学校ってろくでもないやつとか、うんざりするようなことも多いけれど、ああいう女の子も一人二人はちゃんといるんですよね。笑

    最後、ドタバタの中で即興的な映画ロケシーンは圧巻でした。高橋優の音楽が流れるエンドロールも良かったと思います。
    ただ、なぜ東出昌大が泣いているのかは謎でした。

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  4. 自分もBSでやってて観た。やっぱこの映画を見ると語りたくなっちゃう。
    誰でも通ってきた道なので、どの世代も共感できちゃう。10人いれば10通りの見方がある映画。
    でも、なぜ最上位グループの東出だけがそれに気づいて、そこから降りようとするのか自分もよくわからなかった。

    ドラフトが終わるまで野球部を続ける先輩とかw
    自分も神木ならあの場面はブチ切れるw

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