ついに重い腰をあげてこれを見ることにした。東野圭吾原作のベストセラーを映画化した2011年公開の堀北真希主演版「白夜行」。
2006年のテレビドラマ版「白夜行」は素晴らしかったのだが、あまりに暗い話で気が滅入るので最初のほうと最後のほうしか見なかった。こんな酷い人生、たとえ映画でも観るのヤダ。
綾瀬はるか、山田孝之、武田鉄矢の主要3キャストが堀北真希、高良健吾、船越英一郎に代わった。ドラマ版と驚くほど違っている。
廃ビルで死体が発見される。雨が降っていてどんよりと暗いグレー一色の世界。昭和から平成、とにかく絶望的な貧困…。暗い。気分が沈む。
ドラマ版は第1話で殺人事件のあらましが提示されるけど、映画版は視聴者には事件の全体がわからないようにドラマが進行する。たぶん観ている人は話の筋がなにがなんだかわからない。それぞれのシーンが何の関係があるのか見失う。びっくりするぐらい分かりづらい脚本だ。回想シーンを見てだんだんわかってくる。
この映画のヒロイン唐沢雪穂(堀北真希)、正体を見せないまま真実に近づいた者に手を下していく恐ろしい怪物。成り上がるためには唯一人の親友も斬って捨てる。だが、そのシーンは一切ない。自分では手を汚さない。この映画の堀北、あんまりキレイにかわいく撮れてるシーンがなかったかもしれないな。
人生すべてをかけて事件を追う船越刑事、この人のやさしさと人間性はこの物語の数少ない救いだが、最後の高良への語りかけ、急にそんなこと言われても、高良はどう反応すりゃいい?武田と山田のテレビドラマ版のほうが好きだな。
テレビドラマ版の素晴らしさに比べると、この映画は19年間を149分で描かなくてはならなかったにしても、成功していないように思えた。残念ながら観終わった後の満足感があまりなかった。
この男女の協力関係だと完全犯罪が成立したかもしれない。立件も難しい。堀北は逃げ切ったのではないか。
高良健吾の人生がまったく救いがない。あまりに陰惨。登場人物が全員不幸。休日をどっぷり暗くする1本。このストーリーを組み立てた原作者はすごい。
この映画でも知っている場所が出てきた。大学のダンス部に入った堀北と親友、あ!鎌倉の華頂宮邸だ。堀北が座ってたあたりで2,3年前の秋の一般公開のときにコーヒー飲んだわ。金持ち大学生の父と会長、ウルトラマン・タロウとウルトラマンじゃないか!
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