豪姫は前田利家の娘で秀吉の養女となり宇喜多秀家に嫁いだ姫。
仲代達矢が古田織部を演じてる。古田織部はヘンテコな焼き物をつくる茶人の戦国武将という以外にほどんど知識がない。
監督を務めた草月流家元の勅使河原宏という芸術家については自分はよく知らないが、桃山の時代を描くのならこの人を置いて他に適任はいないであろう美の目利き。
音楽が武満徹なのも気になって以前から見てみたかった。
富士正晴の「たんぽぽの歌」が原作で、脚本に赤瀬川原平の名前がある。自分はこの人はカメラ大好き前衛芸術家の爺さんだと思っていた。
茶の湯と焼き物、一流の芸術家たちが集って映像化したのだから一流の映画芸術になっているに違いない。時代はまさにバブル。豪華な画に目を奪われる。
この映画は豪姫と織部とウス(永澤俊矢、豪姫と織部に使われる粗野でぶっきらぼうな下男)の3人が主人公らしい。
映画は秀吉と織部が利休の死と今後を話し合っているシーンから始まる。織部が「利休が死んだ理由は何?」と秀吉に訊ねる。「不埒だったからじゃ」と答える秀吉の、金色の桐をあしらった赤い足袋をクローズアップする。
宮沢りえが登場した瞬間、肥満の男の子が出てきたのかと思った。勤皇の志士か石川五右衛門みたいなヘアスタイル。「ははは(笑)」、声が異常に高い。10代の宮沢りえは人によってはすごく可愛いと言うけど、自分としては全然タイプじゃないな。今回、宮沢りえって意外に背が高いって初めて知った。
前半が終わるともう関ヶ原の後。「おのれ、家康」、前田家預かりの隠遁生活。声が低くなってる。今の宮沢りえの声になってる。子どもと大人と演じ分けてたんだな。
家康は仕事一筋で老人になった人。芸事に一切関心なし。ただひたすら健康オタクとして描かれていた。ちょっと笑わせるつもりのシーンだったのかも。
家康に疎まれている織部は細川忠興に自制するように言われるも、豪姫が主人の茶会へ出かけて20年ぶりの再会。
掛け軸が宇喜多が流された八丈島の椰子の葉、花器が金箔を貼ったヤシの実。目を輝かせる織部。クローズアップされる織部茶碗。なんか、見ているだけで色々と面白い。この映画、見てよかった。
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