しかし、ファインダーがきれいなのと、その他は問題なさそうなので、これは修理ができるかもしれないと直感してレジへ。315円。
家へ連れ帰って、まず蓋を開けてボロボロになったモルトを無水エタノールをつけた綿棒でごしごしこすったり、割り箸の先でそぎ落とす。
次に、トップカバーをはずすのだが、ジャパンホビーツール製カニ目回しで巻き上げレバーのトップの板は外せたのだが、その下にあるH型のネジがうんともすんとも動かない。
翌日、100円ショップで先のいい感じに尖ったプライヤーを買ってきたら、くいっと難なく回った。
ピントダイヤルとファインダー内の針が連動しているので、そこの仕組みをよく観察学習してからファインダーユニットを取り外して清掃。ファインダーを拭くのはほどほどにしておく。どこかおかしな箇所がないか目視で観察するけどわからない。トップカバーを再びはめて、ここで初めて電池を入れて動作を確認してみる。
HM-N水銀電池は現行品がないので、ダイソーで買ってきたLR-44電池2個を直列して代用。大きさが合わないので空いたスペースを厚紙を巻いて埋め、アルミホイルをボール状に丸めたものをもう片方の電池ボックスに入れて電極をブリッジ。
あれ?!巻き上げてシャッターが普通に切れる!Cds素子の露出計測も、SEIKO電子シャッターも生きているようだ。何もかもちゃんと動いている。この時代のカメラについて修理して学習しようと思っていたので逆に肩透かしをくらう。
でも、シャッターやレンズは分解しないで済んでホッとしている。ピントリングのヘリコイドが固いのだが、そこは無理に分解修理はしないでおこう。
FUJICA GE は1973年に発売されたFUJINON 38mm/F2.8レンズ搭載、SEIKOプログラム電子シャッター自動露出EEカメラ。
距離計はなく目測式(ゾーンフォーカス)で距離を決める。ファインダー右側に針で距離を示すピクトグラム、露出の不足は赤いLEDが点灯して警告してくれる。露出が十分だとシャッター半押しで赤LEDが消える。
フィルムを巻くと床屋の看板みたいなのがくるくる回る。シャッターがチャージされるとフィルムカウンター横の窓が緑から赤い表示に変わる。至れり尽くせりのカメラ。
このカメラは世界で初めてフィルム確認窓をつけたことでも有名。ファミリーユースカメラとしてとても使いやすい機能を備えていた。発売当時、ザ・ドリフターズが広告で起用された。
自分が手に入れた個体はそのすべてが壊れていなかった。このカメラは電池がないと巻き上げもシャッターも切れないカメラだったのだ。315円で買えてラッキー。
モルトもダイソーで買ってきたフェルトを1mmほどにカットして代用、木工用ボンドで貼り付けた。UXi super200というフィルムを入れて試写に出かけた。
いつものようにトイラボさんが現像とデータ化(ノーリツの現像スキャン)してくれたので以下、作例を見ていく。データに手を加えずにそのまま縮小だけしたもの。
うおぉぉ……。これは十分実用に耐える、期待以上。露出を考えなくていいって楽。315円で買えたのはすごくラッキー。
上の3枚は数少ない生き残り写真。
今回36枚撮りフィルムを使用したのだが、実に20数枚がど派手に露光してしまった失敗写真だった。すでにモルトをフエルトで代用して貼り付けたので次はちゃんと撮れると期待。
ブロガーさん一番愛用のフィルムのマークは富士フィルムですか?
返信削除ぶっちゃけフジフィルムしか選択肢がない。一番手に入りやすいから使ってるかんじ。
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