その不思議な名前から「何人だろう?」と思っていたのだが、この人はギリシャ系キプロス人を両親に仏マルセイユで生まれ、4歳のときに移住していたカメルーンで音楽の勉強を始めたという経歴を持っている。
1970年以降に国際コンクール入賞を重ね、そのバカテクとヴィルトゥオーゾぶりで80年代から日本でも有名。この人は作曲家でもあるらしいけど作品は聴いたことない。
このCDを500円棚で見つけた。ベートーヴェンの交響曲第7番をリストが1837年に編曲したピアノ版をTELDECに録音(1984)したもの。1,000円で買えたCDを500円で買うのはぜんぜんお徳でないけど、これは聴いてみたかった。
この人やっぱりめちゃめちゃ上手い。リストという天才の編曲もすごい。ピアノだけでオーケストラの音を引き出す。このCDはベートーヴェンの交響曲第7番の名盤としても聴かれるべき。
余白にシューマンの「ベートーヴェンの主題(交響曲第7番第2楽章)による自由な変奏曲形式の練習曲 WoO.31 」というあまり聴かれない作品も収録。やや長くて退屈な曲だが、ここでの演奏はやはり立派なもの。
さすがに声楽が加わる第4楽章を2本の腕で演奏できるように編曲することは不可能だと思っていたらしいのだが、1865年には完成させて全9曲を出版した。
自分はこの曲の第2楽章が好き。とてつもない傑作。ピアノだと各声部がはっきり聞こえて理解がすすむ。
やはり恐ろしいほどのバカテクぶりと完成度。スカッと爽快でメリハリがある。いい買い物だった。
さすがに声楽部は歌手が歌っている。ブリギッテ・ファスベンダー(メゾ・ソプラノ)とトマス・モーザー(テノール)が独唱。
ここでもやはりカツァリスの上手すぎるピアノに耳がくぎづけ。第6楽章「告別」だけで28分以上かかるが、ここ聴くだけでも音楽の深さを表現するピアノに感銘を受ける。
というわけで、今年の夏から秋ごろにカツァリスのCD3枚を手に入れてローテーションで聴いていた。
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やっぱり、超人の作品は超人じゃないと弾けないってことですね。
カツァリスは脳梗塞も克服したんですよね。
先日、ブックオフにNAXOSのペンデレツキが沢山並んでました。500円のを3枚購入。
「交響曲3番」とか「バイオリン ソナタ1&2」とか聴きましたが、良かったのは「Te Deum」とか「聖ダニエル讃歌」とかの合唱曲。意外に人間の声にあっているのじゃないでしょうか。
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そのCD見つけたら自分が買ってた。どれも聴いたことないけど、交響曲やソナタはハードだったんじゃないかと思う。自分は交響曲第1番の素っ頓狂な感じが好き。
実はクラシックCDも相当な量を買い込んでるけど、誰も興味ないからそんなに記事にできないんだなあ。
カツァリスの脳梗塞の件、知らなかった。