司馬遼太郎 「豊臣家の人々」

司馬遼太郎「豊臣家の人々」中公文庫がそこに105円であって目に入ったので読んでみた。面白かった。さすが国民的作家の書いた本だ。

自分はまさみ目当てで見た大河ドラマ「天地人」が戦国武将に興味を持ち始めた最初。見ていて全然意味がわからなかった。中学校の歴史知識だけじゃ何もわからない。

秀吉政権に自分にとって謎の人物がいた。五大老の中に宇喜多秀家という大大名がいるけど、誰？
この本を手に取った最大の理由は宇喜多秀家について書かれているから。大いに自分の疑問に答えてくれた。

秀吉を語る上での需要人物たちを１人ずつをテーマに全9話。どこから読み始めてもかまわない。分厚い本だけど、とても読みやすい。

豊臣秀次、小早川秀秋、宇喜多秀家、北ノ政所寧々、豊臣秀長、駿河御前旭姫、結城秀康、八条宮智仁親王、淀殿と秀頼について語られる。

寧々、淀殿と秀頼以外の人物はほんのつい最近まで自分はまったく知らなかった。一百姓が織田信長に仕えてどんどん出世していくと、その血縁者たちの人生も望んでないのに大変化。秀吉と関わったことで人生を狂わされていく平凡な人々たちがテーマ。

大阪冬の陣、夏の陣での淀殿のやることなすことのダメっぷりに家康も呆れる。赤子の手をひねるがごとくつぶされる。なぜ秀頼を最後の最後まで部屋から一歩も出させない？！何も政治も戦もわからないお姫さまだから仕方がなかったけど。

家康の子で最年長だったのに秀吉の養子にされた結城秀康という人物は平凡でなかったけど、秀忠より武功をたてないように家康に飼い殺し。劇的性格でありながら、歴史に置いて何ら劇的でない人生を送らされた。

秀吉の養子たちをテーマにNHK大河ドラマをつくってほしい。

PS. そして、この本を読んだあとに、大阪へ行く機会があった。大阪城しか行く場所が思い当たらない。
大阪駅から環状線で行くつもりが、反対周りに乗ってしまった。森ノ宮で降りて歩き出す。
暑い。けど、清々しい。
遠い昔、自分が歴史になんら興味がなかったころ、大阪城に来ている。それ以来。
500円払って中へ入ってみる。

ま、昭和の再建なので鉄筋コンクリート製で見るべきものはない。展示も「大坂の陣」と大阪城の歴史を学べるけど、特にすごいお宝とかあるわけでもない。展望台としての機能。

3代目にあたる昭和天守閣が大阪城の歴史上、最も長くそこに建っている。平和に感謝。
来年は「大坂の陣」から400年で、いろいろとイベントがあるみたいだ。
この場所で400年前にとてつもない悲劇が起こった。徳川方15万、豊臣方5万が激突。
大阪の人々が逃げ惑う惨事。

寝不足だったので、木陰の石段で仮眠。

それにしても大阪城を見てしまうと、江戸城がしょぼく感じる。江戸にも天守閣が必要だ。
何度でも振り返って大阪城を眺めてしまう。石垣がみごとでホレボレする。

平日の午前中は観光客が中韓の人だらけ。あと欧米人。日本人はほんの少数派だった。
大阪城公園駅まで歩いた。大阪城ホールは過去2回来ている。イベントの無い日は閑散としている。

大阪城と並ぶランドマーク、梅田スカイビル深夜高速バスで着いた場所から見上げる。ここから駅まで、通勤する人の大激流に逆らって行くのが大変だった。