しかし、2007年以降のミュージックシーンにおいて無視できなかった人物の一人だった。
Vol.64で初めて「清水」のジャケットの人物がソニーの偉い人だと知った。2007年から2008年にかけて、「清水」の時代がこのバンドに一番勢いがあったときだ。デスでパンクでポップ。曲がめちゃくちゃで、ライブもカオス。このころ「後藤まりこが好き」という女の子もよく見かけた。カリスマだと思ったわ。この人の年齢をいまだに自分は知らないが、この人をアイドル視している人も多いようだ。突然の解散と結婚には驚いた。
MARQUEE Vol.67での後藤のパーソナル・インタビューを読んでみた。ベース岩見の加入後の「あらためまして」リリース時のもの。いろいろ率直に語っている。以下引用(Interviewer MMMatsumoto)
あるライヴですごい揉めた時、後藤さん、喧嘩に慣れてるなと思ったんですよ。
「ほんまに喧嘩する時、ボク、殴るんよ。でもメンバーに対してはグーで殴るにしても鼻は潰さん(笑)。ここを殴る。こういったらだって鼻折れるやん。だからそれは考えてるつもりやし。」
その落ち着きが肝座ってるじゃないですか。
「うん。お兄ちゃん同士がめっちゃケンカしてるとことか見てたからかな?ボクもケンカしてボコボコにされたりな。ケンカしても良いって思ってる、仲直りっていう最後の糧さえあれば。いちばん仲良くなれる方法だと思うから。」
あとね、前にも「何故セーラー服を着るのか」っていう話はしたけど、僕が勝手に思ってるのは、「後藤さんの中に育たなかった女性像があるんじゃないか」っていうことなんですよ。
「うん。あるかもしれん。普通にセックス覚えんのも早かったけど、そういうのとはべつで。女の子って意味がわからんのよ。なんか一緒に中学校の時に帰ったりして、今まで一緒におった子とバイバイしてな、いきなりその子の悪口をいいだすとか。それが女の子の中では普通みたいねん。で、ボクはそれについていいかれへんかって、一人になってんけど。でも、そういう事言ってた子はすごい女性らしくなって、なんかそれに憧れもある。最近でもそういうのはあんねん。やっぱミドリやっとてな、女のカメラマンとかメイクさんとかライターさんと関わったりする時もあるんやけど、やっぱ女性って『あ、そうなんや、ふ~ん』ってう時ってあって。『え?今の顔、なんですか?』ってほんまにビックリする時がある。ランク付けたりするのとか。でもそのかわりに自分が比べられるの嫌がるやろ?」
そう。後藤さんはやっぱりそうじゃないほうがいいと思ってるんでしょ?
「うん。そうやないほうが良いけど、そういう人に憧れもある。だって楽しそうや、安全やし。群れる女友達っていうのは、ボク、経験ないんよ。すごい羨ましい。」そういうことで、後藤さんは自分がどこか欠落してるって感じたりしてる?ぶっとんでてパンチがきいているけど、こういう部分が男女とも共感をよぶとこかもしれない。自分もこういう点で似ていると感じた。音楽ってなんとなくそういう事を感じ取るとこがある。不思議だ。さあ、早く次の展開をみせてほしい。多くの人が待っている。
「うん、ボク、人に対しても、自分に対してもコンプレックスがすごく強いと思う。でもコンプレックスを持ってない人間は、ボク、苦手やと思う。完璧っていうか。たまに『なんでそんな自信あんの?』って思う人おるけど、そういう人とはちょっとお友達になれる気がしない。」
0 件のコメント:
コメントを投稿