目新しいところでは「I LOVED YESTERDAY」のジャケットについて答えているところがある。以下引用
初回限定盤のジャケットを見ると渦巻いたダンボールの真ん中にYUIが膝を抱えてすっぼり収まっている。一方、通常盤ではその真ん中から出てくるYUIが写されている。まさに昨日から明日に、飛び出して行くことを示しているかのよう。強いメッセージを持つジャケットだ。
アイデアは、1年くらい前からありました。初回限定盤は「自分の中にはいろんな感情が渦巻いているけれど、でも歌を作りました」というコンセプトです。通常盤では、その渦の中から飛び出していくという気持ちを表現している感じですね。でも20歳になってから1年たちましたが、10代のころの自分、昨日の自分と何かが大きく変わったとは感じていないんです。逆に年齢に関係なく、今どれくらい自分が真剣にものを考えているかということ、そうしてできた歌にこそ、共感してもらえるのかなと思っています。YUIの歌や言葉には、媚びが全くない。それは音楽に対しても人に対しても、誠実であるがゆえの、凛とした態度であり、強い信念があればこそのたたずまいだ。
問題なのは以下「研究」と題された部分だ
CMやドラマのタイアップにも柔軟に対応 荒削りさとバランス感の同居が完成度の高さに
今回のアルバムに収録された13曲のうち、既発シングル曲にはすべてタイアップがついた。
ドラマ『生徒諸君―・』主題歌『My Generation』映画『クローズド・ノート』主題歌『LOVE&TRUTH』。ドラマ『4姉妹探偵団』主題歌『Understand』。グリコ・ウォータリングキスミントCM曲「Laugh away』の4曲。曲の素地はあったとしても、どの曲もオファーがあってから仕上げられたものだ。それぞれ台本を渡されたりキーワードをもらったり、写真を渡されたりと様々だが、ある程度オーダーがあることは事実だ。
例えば「Laugh away」は「すごく爽やかな夏というイメージの写真」を受け取り、その写真のイメージに合うようにストリングスを効果的に使った曲を作り上げていったという。想像力の強さを感じさせるエピソードだ。
学園ドラマのために書き下ろされた「My Generation」には、音楽の道を志すために高校を中退した経験のあるYUIならではの、赤裸々な思いが反映されている。実体験を元にしながらも、今のYUIは、ドラマを見た人にも共感してもらえる勢いのあるロックにできてしまう。こういうイメージで、こういう感じで、と言われれば、シンガーソングライターという内面から出てくるものを表現するアーティストとしては、窮屈さを感じる場合もあるかもしれない。しかしYUIはそれに縛られることがない。制約は感じないし、かかわる人は良いものを作りたいと考えているから、出来上がったものが良いものになることが一番大切だという。なおかつ、どれほどオーダーを受けたとしても、例えば映画のサウンドトラックのように相手の要望だけを聞き入れて、映像に完全に沿う音楽作りとは違うと考えている。どんな場合でも、サウンドや言葉にそのときの自身の気持ちを込めることができるため、すべてを相手に合わせて完成させることには結果的にならない。あくまでオーダーの内容はきっかけで、そこから想像力を膨らませて曲作りをしている感覚なのだろう。頑なに自分の内面から出てくるものだけにとらわれるのではなく、受け取ってくれる相手のことを考えてサウンドを作れる柔軟さ。これは、ロック~ポップ~バラードという曲比率にも共通するバランス感覚の良さの表れと考えられる。自分の内面的な部分を歌うのであればバラードの方が歌いやすいと思われるが、ファンと盛り上がるため、聴く人を元気づけるためにボッブな曲を書くことができる感性だ。
そうした相手を受け入れながら、内面にあるものをアウトプットしていくことができるしなやかさが、次のYUIのサウンドの振り幅をいっそう広くし、ファンの裾野を広げる。前作、前々作に比べ完成度がより高まった今回のアルバムは、10~20代だけでなく上の世代のファン層の拡大につながりそうだ。
まあ、実際にそうなっているわけだが。タイアップの仕事は実際どんなものなのか?多少はうかがい知ることができたが、創作過程をもっと知りたい。
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