松居大悟監督の「私たちのハァハァ」(2015)をやっと見た。
北九州の高校3年生JK4人がクリープハイプのライブを見るために、自転車で東京を目指す夏休み家出ロードムービー。主題歌と音楽はクリープハイプ
井上苑子が出ていることは知っていた。井上はもうデビューから長いがいまだに世間に知られていない。井上以外の3人はとてもリアルに田舎の素人JKっぽい。中学生に見える。
ここ最近洋画ばかり見ていたので、日本の女子高生グループが騒ぐ声がガンガン頭に響いてうるさいw
この映画自体が開始からずっとJKがスマホで撮りためたような作為も編集もないような映像がしばらく続く。関門トンネルシーンからようやく映画らしい画質クオリティになる。JKのひとりがちゃんとしたムービーカメラを持っている。
公園で野宿とか(そんな場所で寝たら蚊で眠れないと思う)、日本の高校生の夏の青春。尻を掻きながら彼氏と電話とかリアル。この映画の台詞はだいたいの枠組みだけで、あとはほとんど即興芝居?台詞はちょっと聴き取りづらいかもしれない。
当たり前だが井上のギターと歌唱は素人らしくない。通りがかったら振り返ってじっくり聴くレベル。夜のベンチでギターのシーンは「タイヨウのうた」を彷彿。
夏の暑さで自転車で行くことを断念。以後ヒッチハイク。
気づいたら運転手や同乗者と楽しくおしゃべり。みんなノリがいい。
だが、岡山では乗せてくれる車がまったく見つからない。しかもどしゃぶりの雨。
なんとか強引につかまえた車が池松壮亮。テンション低っ。
こいつが女子高生だけでヒッチハイクの危険性を説きながら、影でこっそり一番ブスにキスしてきたりする。
神戸でチケットを4人分譲ってくれる女とコンタクト。この女が女子高生たちに引く。
いつのまにか神戸のキャバクラで年齢を偽って働く。2日ぐらい働いて、予定変更して新幹線で行こう!だが、夜のクラブで金を使ってしまう。「アタシたちやさぐれちゃったね。」
少女たちの旅が高校生にしては無計画で行き当たりばったりすぎて酷い。
そしてファン同士の方向性の違いからケンカ。邦楽ロックバンドのファンによく見る風景。たぶん大人たちには理解不能だが少女たちは異常に真剣。カルトみたいで怖い。SNSで誰かに助けを求めるも炎上。古参ファンによって暗黙のルールができあがってるとか、邦楽ロックあるある。
気づいたら井上が旅のために辞めたバイトの給料が振り込まれていた。これで高速バスに乗れる。(最初から高速バスで行けよ)
もう電車代すらない。少女たちは東京駅から渋谷まで道がよくわからないまま走る。だがもうライブに間に合わないw
ひたすら楽しくふざけて、やがて哀しい…という。それが十代か。
ヒーローでもなく、可哀想でもなく、ただ若いだけの子どもたちが主役の映画。
なんであんなに夢中だったんだろう?って、誰にでもある痛い青春の想い出映画。
0 件のコメント:
コメントを投稿