2019年12月8日日曜日

安部公房「燃えつきた地図」(昭和42年)

安部公房「燃えつきた地図」(昭和42年)を昭和55年新潮文庫版で読む。この表紙のものは昭和63年第15刷。100円でゲット。
自分、安部公房をまだ「榎本武揚」しか読んだことなかった。おそらくこいつは安部公房の代表作っぽい作風。

ガス会社の販売拡張課長が失踪。調査を依頼された興信所に勤める主人公が、団地妻に話を聴きに行くのだが、暖簾に腕押しのような女。
すべては弟まかせなのだが、弟とは連絡がこちら側からとれない。何も手がかりがないままに関係者に話を聴きに行く。

あとはひたすら困惑。やたら散文的で描写は細かいが内容がない白昼夢。まるで村上春樹。
都会─閉ざされた無限。道を失っても迷うことはできない…という安部公房らしさ全開の長編小説。

読み続けていてひたすら気が滅入ったw なので読むスピードを上げた。この本から何かを得たという充足した気分にはなれなかった。

齋藤飛鳥が安部公房を読むので自分も読んでみたのだが、もう安部公房は読まないかもしれないw

これは勝新、市原悦子、渥美清のキャストで勅使河原宏監督によって1968年に映画になってるらしいけど、見なくてもいいかなとw思った。

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