アンドレイ・タルコフスキー監督の「ノスタルジア」(1983 伊、ソ連)を見てみる。よせばいいのにこれでタルコフスキー4作目。これも相当に退屈映画な予感…。
ヴェルディのレクイエムが流れるタイトルバック。写真のように美しい風景。
旅の中年男女が車でやってくる。女は以前訪れたことのあるイタリアの修道院を見学に男を誘う。
男は「美しい風景などうんざりだ」とつぶやく。心を病んでいるようだ。
石柱の多い狭い修道院の内部を歩く女、突然現れる修道僧らしき男。「うわの空では何も起こらない」「跪いて祈りなさい」とたしなめられる。
女性の信者たちがマリア像を運んでくる。
「女だけが熱心に祈ってるのはなぜ?」「女の役割とは?」と「ただの監視人」だという男に質問してみる。男の答えに満足できなかったようだ。立ち去ろうとする。
マリア像の腹から飛び出す小鳥たち。ピエロ・デッラ・フランチェスカ(Piero della Francesca1412-1492)の「出産のマリア」のクローズアップ、そして陰鬱そうな男の顔。ここまでが13分。
出たよこれ。完全にタルコフスキーな映像。
え?この二人は夫婦でも恋人同士でもないの?男にはモスクワに妻がいるらしい。
廊下を走ろうとしてすっ転ぶ女。滑稽な自分を独り笑う。は?何これ。
タルコフスキーの室内空間のカメラワークと照明が独特。それにしても部屋が広くて何もない。
ざーざー振りの雨。寝ている男の傍らに犬がどこからかやって来る。「ストーカー」みたいな画になってる。ここまで30分。この映画を見始めたことを後悔し始める…w
翌朝ホテルを出ると湯けむりの中世都市のテルマエ石畳。頭のおかしそうな老人と出会う。詩人で作家のロシア人はこの孤独な田舎の変人に興味を持つ。そしてお宅訪問。
雨、泥水、犬、変人…、カメラが横に移動しながら長回し撮影してる映像とか面白い。
そして、男は老人からローソクを使ったあることを頼まれる。
女、自分に手を出そうとしない男にブチギレ。男、鼻血。え、ラブコメ?ま、こういう笑いも映画に必要。
ローマ演説、ローソク水渡り温泉、何しとん?!ってつっこみまくりの126分。
家、水溜り、火、犬、傍らに倒れてる男。「サクリファイス」ってこの映画を見てないとわからない映画だったって今わかった。ちょっと似てる。
ひたすら映像美。芸術っぽい作風なのに一部がコントw 果たして世界は救われたのか?ロシア人、意味わからん。
色々と狂った映画。芸術とは壮大な資源のムダ使い。
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